第15話 天照族のヤマト入植

天照族のヤマト入植に、当初抵抗があったことが大きな問題だった。当時、日本を緩やかに統治していたのはオオクニヌシの出雲であった。

出雲は、日本各地の国の国の調整や争いの種になる密約の同盟関係の監視をおこなっていた。朝鮮から入ってくる鉄をも一元監視して日本を安定に保ち、安定した平和を保つ役を担っていた。

しかし、ここで大きな問題がおこった。朝鮮が天候の不順で、食料不足が深刻化したのだった。彼らは、日本への移住を希望した。だが、出雲はこれをむげに断れなかった。

彼らは当時、日本で造れなかった鉄を造っていた。この鉄を独占して日本各国に売る出雲にとって、天照族は上得意の仕入れ先だった。彼らを怒らすと鉄が入ってこなくなる可能性があるどころか、出雲以外の国に鉄を売ったり、かってに日本に移住するおそれもある。出雲は日本における出雲優位の立場を保つため一定の移住を許可した、これが出雲の国譲りの話である。

天照族は、三度も日本への移住を希望してついに移住を許可されたのです。出雲が日本を統治していてが、天照族が天下って国を譲り受けたのはこのことを意味するのである。

天照族は、こうして日本に移住する。

天照族がまず移住したのは、豊の国であった。天照族の先遣隊は、ここで農耕その他の訓練を行った。ここは借りの移住先で本当の移住する場所は、日向だった。

当時の日向は、未開の地で出雲と交易や交流をほとんどしていなかった。出雲は、管轄外の日向なら誰も苦情やもめ事が起こらないと考えていた。

しかし、当然日向にも原住民はいる。彼ら原住民は、出雲と交流をしていないだけでほぼ自給自足で生活していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る