第13話 日本独特のルール

そして天照族討伐の命令をうけ天照族を討ち負かし、五瀬命という将軍級の人物を戦傷死させた。しかし、彼らもそれほどの戦意はない。壊滅した天照族を深追いせず立て直す時間を与えている。彼らも天照族同様、元難民であり、命令とはいえ、討ち滅ぼすことにためらいがあった。

彼らは、最終的に和睦した。難民として同じ辛い体験をした彼らは、このまま絶望して餓えてゆく天照族に同情し、手をさしのべた救済色もある和解だった。

天照族は、この和睦の提案を受け入れてヤマトに入植することができた。その理由から、天照族のヤマトでの地位は最も最下位であった。

記・紀ではヤマトに君臨したと書かれているが真逆だったのだ。また日本書紀には長髄彦は殺されたと書かれているが、古事記には一切書かれていない。

また神武天皇は驍速日命を信じ、また忠誠を誓ったのでこれを寵愛したと書かれている。しかし、本当はこれも真逆で神武天皇が驍速日命に恭順し、服従を誓ったのだろう。盤上ゲームの将棋が、そのことを証明している。

中国やインドの将棋やヨーロッパのチェスなどと違い、日本には日本独自の変わったルールがある。つまり日本の将棋は、取った駒をまた使うことができるという世界にはないルールがある。この日本独特のルールは、これが日本の正式な戦争のルールであったことを示している。

そしてこのルールは、天照族が物部氏に救われたことに起因しているのだろう。海外から伝来したゲームのルールを変えるには、説得できる理由と根拠が必要である。ただ面白いだけでは納得しかねず変更する雰囲気や事情が日本にあったのだろう。

天照族は、こうしてヤマトに入植した。

その時天照族に与えられた剣こそが、天業雲剣(草薙剣)だった。



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