第8話 駄々っ子信長
「嫌だ!嫌だ!嫌だ!
お母さんと一緒に末森にいく」
「信秀、聞き分けのないこというんじゃありません」
「だってみんな末森にいくじゃないか。
どうして僕だけ那古屋なんだよ」
「信広兄さんも一人で安祥じゃないか。お前に期待されていたのよ。
お願いだから、立派に応えるのが男でしょ」
「僕、男なんて嫌いだよ。お母さんとずっといる」
「私はお前を母さんのようにしたいのよ。分かっておくれ」
「じゃあ、お母さんのそばにいたほうがいいよ」
「母さんは今忙しくて那古屋や津島まで手が回らないのよ。分かるでしょ」
「でも僕できないよ」
「大丈夫、あなたならできる。
母さんも応援する。帳簿を見て変なところを見つけるだけでいいの。
いつも母さんがしていることをすればいいだけ」
「恐い、おかしくなったらどうしたらいいの」
「教えたとおりすれば大丈夫、林や青山や内藤をつけるから、頼むわよ」
「わかったよ。
後どうなってもしんないよ」
「偉くなったわね。頼んだわよ」
こうして信長は、那古屋にいくことになった。
信長の那古屋での仕事は、商都からの税金の徴収だった。信長は、始めはまごついていたが徐々に慣れ、わずか一年で一人前となっていた。土田御前は、一安心したが信長は慣れると成果を上げようと税の徴収を手広くした。
彼はまだ若く、人心や決まり事がよくわかっていなかった。家老の林から報告を受けた土田御前は、信長に会いにいった。
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