第26話 存在した伝説の大陸?と国王

 テーマの“大陸”に“?”をつけた理由は、正確に言うと“陸ではない”からである。

実は当時存在した大陸は“母船上”の上に存在していたものなので、痕跡があまり残っていないのだ。一部が海底に残っているものをたまに調査船や潜水夫が発見するが、それ以上は何もないはずである。人間が暮らしていた大陸とは別にあり、彼らは当時の人間から「五色の人間」と呼ばれていた。

 太平洋には二つあり、一つは「ムー大陸」(ラムー王国)が白、二つ目は「パシフィカ大陸」(ネフィリム巨人国)が赤、ほかに、タスマン海付近に「ジーランディア大陸」(タスマンティス)が青、大西洋に「アトランティス大陸」(ダーナ神族)が黄、インド洋に「レムリア大陸」(ゴンドワナランド)が黒である。肌の色で分けられたようだ。

彼らと人間との混血種が人種の違いに関わってきている。

 ふたりが関わった相手はムー大陸の国王ラムーである。彼の神獣である巨大蛸に助けられたのだ。現在は自分の星“ラムー帝国”のある「ラムー星」に帰っている。(神話の中では大陸は海中に沈んで終わりになっているが、もともと高度な“母船”なので自分の星に帰還しているだけである。)

 あれは数年前の話なのだが、ふたりが神事に関わるようになってからしばらくして、それを邪魔する反対勢力が動き始めた。以前も述べたが、宇宙にはアウトローな存在も居るのだ。指示を出した者は決して現れず、配下の者たちを使って仕掛けてくるのだ。I県での神事の帰り道、大きな川に掛かる橋を通過中、得体の知れない化け物が川の中に居るのを確認した。その日の自分の“夢の中”に現れ、「われらは“〇やかし三姉妹”じゃ、われは葉月(はづき)、われは文月(ふみづき)、われは谷渡し(たにわたし)…」と名乗った、「隙あらばお前たちを殺す」と言って消えたのだ。なんとも物騒な話である。〇やかし三姉妹とは三つ首の朽ちた縄のように見える巨大オロチである。

すぐに神様にその一件を報告した。すると、「次の休みでかまわないからS浜に行って海に向かって合図をすれば、それが現れるから事情を説明してみなさい」と言われた。

 週末、まだ日が昇り切らないうちに出発。途中事故渋滞に合いC県S町に到着したのは11時位になってしまったが、天気は良く、水平線が丸く感じられるくらいはっきり見えた。妻が合図の石笛を吹く…2分ほどして背中が牡蠣や海藻だらけの

巨大鮫の“おおさの〇”(およそ1000歳)がやってきた。50mほど距離をおいているのだが、テレパシーで話が通じるのでいつものように自分が話し役、妻が聞き役となり事情を説明した。すると、「それは“〇ラーケン”の出番だな。あいつは今フロリダ沖に居るから会いに行くのに…そうだな久しぶりに泳ぐから2週間ほど掛かるが必ず伝えるから待ってなさい」と言ってすぐに姿を消した。

 待つこと18日、神様に到着を教えて頂きC県C市Kヶ浜に向かった。おおさの〇は片道2週間掛かったが、〇ラーケンはフロリダ沖からプエルトルコ、バミューダ諸島を経由してC県沖に4日で到着した。どちらにしても彼らは急いで来てくれたのだから感謝しなければならない。

〇ラーケンは浜から500m以上離れていた。「1週間以内に片を付ける。少しの間〇やかし三姉妹の行動を観察してから、逃げられないようにして一気に始末する。」と言って消えた。

その6日後の朝8時33分であった。I県Kヶ浦S川河口付近を震源とする震度4の地震があった。発生と同時に、地面が振動するほどの「ドン、ズズーン」という音がしたという…

 それから5日後の早朝、I県Kヶ浦に向かった。その日の昼には日本を離れるということを聞いたのでお礼を伝えるために車を走らせた。9時位に到着して挨拶をした。すると「S川を上流に向けて移動しようとする動きがあったので、すぐに背後に回り込んで叩き潰して始末したからもう安心しなさい。」と言われた。巨大オロチを一撃で叩き潰すなど凄過ぎる…やはり〇ラーケンはただものではない。

深々と頭を下げお礼を伝えた。ゆっくりと海の方に向かって消えていった。

 その3年後の1月にふたりの前に古代ムー大陸の王であった「ラムー」がじきじきに挨拶に来られた。ふたりに会ってみたいと王様の方から希望されたそうだ。彼は当時も現在もラムー帝国の王である。彼の姿を初めて見たが、“五色の人間の白”といわれる由縁が理解出来た。頭が“白く”顔には目も口も耳も無く、顔の中心には穴の無い鼻のような突起物があり、上半身は人型で下半身はスカートのようなものを履いている。恐らく中は蛸のような足なのではと思う。会話をする際は、顔の両側にある青っぽい縦筋の光が上から下へ流れる。

挨拶に来られた理由は、〇ラーケンをラムー星に連れて帰るとのことで、体は〇リアナ海溝に残していき、プラーナ(生命の元となる気)だけを持ち帰るとのことであった。わざわざそれを伝えに来てくださったのである。こちらも大変お世話になったお礼といつまでもお元気でいてくださいとお伝えした。

空一面、両端が確認出来ないほどの巨大な母船で来られていた。彼は優しい口調(口が無いが)で「それでは」と言って母船に消えた。あれほど巨大な船なのに人間には見えないのが残念だ。

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