第44話 偽のブーストクォーツ


「ナノは一生もうこの世には居ないだミムスを探し、この場所へは一生帰ってこない。しかも私が執務などこなすわけがない。そんなことをしている場合ではないのだ。ブーストクウォーツの力を手に入れなければな」

フォルターはまずブーストクウォーツが偽物かどうか確かめに、国唯一の魔法石鑑定団の元へと足を運んだ。

「こぶ馬、走れ」その途端フォルターはこぶ馬に跨った。

こぶ馬は無数の屋台を横目に走り続ける。


______

「ここか」フェルターは深く被ったローブフードめくりあげる。

鑑定団は隣町の人目のつかない路地にある唯一つの屋台だ。

「いやあ、どうも」鑑定団の一人が言った。

「おい、フォルター様だぞ」奥の団員が呟いた。

「それでは一つお願いする」フォルターは偽物と分からないままブーストクウォーツを差し出した。


「ブーストクウォーツですか。これは興味深い。明日には鑑定が終了しますが」フェルターは急いでいた。

そんなことで時間を失っては困る。

「ダメだ。3分以内に終わらせろ」フェルターは言った。

「いやあ、それは流石に…」その瞬間フォルター王子は団員に素早く拳銃を向けた。


「これでもダメか」フォルター王子は奇妙な笑みを浮かべた。

「引き受け…ましょう」団員は恐る恐る返事をした。


_____「残り10秒だ」

「9、8、7、6、5、4、3、2、1、0」フォルター王子は呟いた。

「さあ、もう鑑定は終わったか?」3分で鑑定とは無茶な気もするが、フェルター王子にはそれほど時間がないのだ。

「終了…しました。

魔法石名は偽のブーストクウォーツです。効果は少量の魔力を持つ。それ以外の特徴は無しでした」団員は言った。

「そうか」フォルター王子は残念そうにこぶ馬に跨る。

「本物の行方を探さなければ」

フェルター王子はそのまま石の道を進んで行った。


_____その頃レイトたちは…

木と縄でできた門が目の前に立ちはだかっていた。

「ここはリザード族の住処だ」グラッドは言った。

「あの好戦的な!?」僕は言った。

「そういうことです。ここから先に進むにはリザード族と戦って勝利しなければいけないってことなんですよ」ライは言った。

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