第41話 コブリン村閉鎖



____朝

「おはようライ、グラッド!」僕は気持ちよく微風を迎えた。

「レイトはもう元気になったんだね」グラッドは言った。

昨日の夜は死んでしまうかと思ったが、今ではもうすっかり元気になっている。

「このままアランド王国へ行きましょう」ライは呟いた。

僕らはボロ屋の扉を開けて、再びアランド王国へと足を運んだ。

少し歩くと、赤い色のキノコが地面に生えていた。


「これは食べてもいいキノコ?」僕はライへ聞いた。

「うん、このキノコはとても美味しいよ。生で食べてもいいやつだ」ライはすぐにキノコを一つ口の中に入れた。

僕もキノコを食べてみた。

するとカダナヒスの実のような味が口の中に広がった。

弾力もあって中々美味しい。

「気を取り直して出発しましょう」

僕らは再び歩き始めた。

見たことのないような鳥などもいて、新たな発見があった。


____数分後

『ここは!?』グラッドは叫んだ。


「何ですかこの門は?」僕が最初壁だと思っていたものは上を見上げると大きな門であった。

門には大きな紋章が刻まれていて、ツタが巻き付いていた。

「もしかして山脈を越えたのでしょうか」

『この材質は古代コブリン族の物だね』グラッドは言った。

「いや、コブリンは山に住み着く。まだ越えたとは限らないよ」ライは言った。

僕はガッカリとしていた。

その時門の奥から太い音がした。

笛の音か?


その時門の上にある高台にコブリンが弓を構えていた。

門は開き、大量のコブリン族が削って作ったような石を構えていた。


「人間、お前たちはここから去れ!さもなけてば…どうなるか分かるよな」一匹のコブリンが身を乗り出していった。

「ヤバいよグラッドぉ!逃げようよ」


「こんなチビに負けてたまるか!!」僕の言うことに一切耳を傾けず、グラッドは何故か戦おうとしている。

「身なども掛かれぇええ!!」先ほどのコブリンが叫んだ。

目の前に弓が飛んできた。もう逃げ場がない。

「うわああああ」僕は咄嗟に叫ぶ。


______

目を覚ますと僕は生きていた。

手の中には矢を握っていた。

「僕、生き延びたんだ」何故こんなにも早い矢を掴むことが出来たのか、僕には分からなかった。


『ユリウスの実の副作用だよ』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る