第33話 第二保管庫



私が足を前へ伸ばした瞬間、後ろから声がした。

「まちな、お前は何をしに来たんだい」声と共に洞窟の出口は完全に封鎖された。

「お前は誰だ。私は旅の休憩で洞窟に入る為、仲間より先に洞窟のバジリスクストーンの石化を封印しに来た」


「仲間の名は?」彼は深い声で言う。

「レイトとグラッドと…ミ」いや、ミムスは裏切った。仲間と言うべきではないのだろう。

「グラッドと言ったな。お前の仲間を此処へ連れて来い‼︎」彼の声に私は鳥肌がたった。


「グラッドに何か用があるのですか⁉︎」


「坊やは私からブーストクウォーツを奪った。そのせいで思い通りには行かなくなったんだよ!」

ブーストクウォーツは魔力を拡大させる魔法石だ。そんな物をグラッドは持っていたのか?


「グラッドに、話を聞いてきます」

「それで良い」

_________


少しするとライが小走りで戻って来た。

「なんか、グラッドが私からブーストクウォーツを奪った。そのせいで思い通りには行かなったって言ってる人がいるから戻ってきた。

それって本当?」それは砂の国の魔女の事だろうか。


「それ、絶対砂の国の魔女だよ。あとね、ブーストクウォーツはもうミムスに盗まれてるんだよね」グラッドは言った。


「あいつ、また僕のこと探しにきたのか。砂の支配が及ばないから自分で来るなんて。旅の途中なのに面倒だな」グラッドは深くため息を吐いた。


その時上の方から音がした。

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