第3話 ウロコの生き物

誰かが血を流して倒れている!


僕はそのまま横たわる鎧に近寄るが、しかし、鎧だと思ったものはウロコで、ウロコは黒く湿っていて頭以外の全身を覆っていた。


そして、その頭•••髪だと思っていたものは蛇のような、いや、黒いタコの触手のようなものだった。


「な、なんなんだ!?」


僕は思わず大きな声を上げてしまう。


その大声でウロコの生きものは僕の存在を認識したのだろう。


ウロコに覆われた体を起こすと、ゆっくりと僕の方に頭を向ける。


その顔には目や鼻は無く、あるのは巨大な耳もとまで届くように割けた巨大な口だけで、その口には黒々とした巨大な歯が何本も生えていた。


「うわ〜!!!く、くるな!!」


僕は思わずその生き物の顔を力いっぱい殴りつけるが、ウロコの生き物はびくともしない。

それどころか殴りつけた拳が触手のようなものに触れたときに飛び出した赤い液体が僕の腕にまとわりつく。


「うわ〜〜〜!!」


赤い液体がついた僕の腕に痛みが走る。


な、なんなんだこの生きものは!!

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