11.旅立ちの準備
グロー歴504年8月35日
スマホの機能を知ってからさらに2週間が過ぎた。
あれからも創作魔法の開発に勤しんでいた。
ロックキャノンは威力を抑えて連射を可能にした。バルカン砲並の威力になっちゃったけど、とりあえず遠距離攻撃の手段としては有効だ。
状況に応じて弾数を減らして威力を上げたりもできるし、臨機応変な対応が可能だ。
まぁ他にも攻撃手段は欲しいから、おいおい開発してみよう。
次に回復魔法。こちらはなんとか習得ができた。生物学や病院って苦手なんだけど、自然治癒力や免疫についてのイメージをしたら時間はかかるけど、とりあえず出来たんだ。
ただ、大量の魔力を消費しちゃうので今のところ1日1回が限界だ。苦手なジャンルはイメージがしっかり出来ても魔力消費量が激しいことが判明したよ。
一方の近距離攻撃。こちらは武術の心得なんかこれっぽっちもないから非常に困った。
リオはドラゴンだから圧倒的な防御力と体術、そして桁外れの威力を誇る創作魔法で殲滅しちゃうので、そもそも近距離攻撃に関してはからっきしだ。
今は魔法がほとんど使えない状態だから上空に逃げたり、持ち前の素早さで撹乱したりすることが精一杯だそうだ。
とりあえず武器になりそうなものはないかな?と思ってたら、カバンの中によくわからない棒きれがあったことを思い出した。
これって、魔力込めたら某宇宙戦争や某機動◯士みたいなビームサーベルになったりして···と軽い気持ちで魔力込めたら、本当にビームサーベルになっちゃった!
あぁ〜イメージしなくても印象が強すぎたから出ちゃったんだ···。
リオも最初は呆れてたけど、イメージしたアニメや映画の話をしたらなんか興味持っちゃったんだよね。
今はスマホでアニメを鑑賞中だ。って、日本語わかるのか?と思ったら、スマホが自動翻訳してるみたいだ。
ハマってるリオを見て、文化汚染してしまわないかちょっと不安だ。
とりあえず武器も大丈夫だ。剣術をどうにかしないとね。どこかで学べないかな?
最後に身体強化だ。リオによると、創作魔法ではメジャーな魔法だそうだ。
全身に巡る魔力に厚みを持たせて体の外数センチぐらいに纏わせると完成だ。
簡単に言えば魔力で作ったパワードスーツだね!自分自身の動きを魔力でアシストして強化しているって事だ。このイメージが一番魔力消費量が少なかったから最適だったんだね。
さらに五感の強化も可能だ。遠くのものを見る時は目を、遠くの音を効くには耳を魔力で強化してやればいい。
ちなみに魔力の密度を高めると防御力や攻撃力がその分上昇するけど、それに応じて魔力消費量が激増する。
だから、ボク自身の魔力保有量と回復量を常時モニターしながら行使しないと、ガス欠になって倒れてしまいかねない。
このあたりの管理は気をつけなくちゃね。
そして、この身体強化は人によって上限が決まっている。
100倍とかにすると、体に負担がかかりすぎて耐えられないのだ。そのため、通常の戦闘の際は2倍ぐらいで行うのが持続時間も考えると一般的には最大らしい。
まさに界◯拳と同じ理屈だね!
ただ、ボクは魔力保有量が多いから「4倍ぐらいまでなら大丈夫じゃないかー?」とリオから言われた。
試しに朝から4倍で身体強化したまま過ごしてみると、昼過ぎあたりで限界がやってきた。
だいたい6時間ぐらいか。まぁ、これだけ保つなら問題ないかな?
あとは体を鍛えたら基礎能力が向上した分、効果的だと言われたので、少しずつ走り込んだりして鍛えることにした。
そして旅に出る前日の夜。さらに思わぬ発見をしてしまった。
そう、こっちの世界にやってきた時についてきた肩掛けカバンだ。
なんと!いわゆるアイテムバックだった。しかも時間停止機能付きで···。
収納量は今のところ不明だ。
これにはリオもビックリしてたね。
「オイオイ···なんてもの授けやがったんだよー!便利だけど、バレたらこれ狙ってくるヤツがやってくるじゃねーか!」
「やっぱりチートアイテムだったんだ···ありがたいんだけど、これは扱いに気をつけないとなぁ」
リオも扱うことができたんだけど、これって他の人も扱えるのかな?今実験できないからわからないけど、盗まれると非常にやっかいだ。まぁ、あまりにも機密扱いだから実験すら出来ないんだけどね。
出発直前までドタバタしてしまったけど、明日の朝からリオの拠点を離れて旅に出る。
リオもついてきてくれる。というのも、ピースメーカーではなくなったけど、世界が今どうなっているか確かめたいっていうのもあるので一緒についてきてくれることになった。
本当にありがたい。それなりに長いこと一緒にいるけど、もはや相棒といっても差し支えないね。
そんな相棒のリオ。実はリオがこれまで何をしてきたのか、まだ聞いてなかったんだよね。
自分自身のことだけで精一杯だったから余裕があんまりなかったしね。今日で一段落したから聞いてみることにしたんだ。
「ねえ、リオ。今まで聞かなかったんだけど、リオがこれまで何をしてきたのか、教えてくれない?」
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