21世紀美術館

 夕飯まで時間が余った。そんな時は美術館、博物館をお勧めしたい。

 兼六園の南側は、これらが林立する文教都市である。


 伝統ある街は、おのずと文化の匂いが残ってしまうものだが、金沢は違う。

 大きな空襲を免れたのも大きいが、残ったのではなく、残してきたのだ。

 歴代の加賀藩主が守ってきたからこそ、林立するほど美術館が立つのだ。

 これほどまでに文化の気配が薫る街を、私は東京と金沢以外に知らない。


 などと大仰なことを言ったが、前回も前々回も、この21世紀美術館には来れなかった。

 単に時間の問題だけではなく、旅行者でごった返していて、私には入れなかったのである。

 私は人混みが苦手だ。


 美術館の駐車場が空いていたのでもしやと思ったのだが、ここで衝撃の事実を知る。

 能登半島地震による被害を受けて、有料スペースの展示を行っていなかったのだ。

 残念だ。実に残念だ。また金沢を訪れる理由ができてしまったのではないか。


 読者の皆様におかれても、公式ホームページなどで調べてから行くと良いだろう。

 それを怠ってひょいと行ける場所にあることがすごいのだ、という話でまとめることにしよう。


 しかし、決して無駄足ではなかった。

 無料の展示コーナーは開いていた。


 一目ぼれである。

 『ファッションと哲学 16人の思想家から学ぶファッション論入門』

 アニェス・ロカモラ&アネケ・スメリク編著 蘆田 裕史監訳 フィルムアート社


 物販コーナーを物色中のことだった。

 書店で見かけても決して買うことはなかっただろう。美術館の物販コーナーだからこそ巡り合えた。


 帰りの電車で読みふけっていたが、全然読み進められないので書評は期待しないでいただきたい。。

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