恋愛修行
あっ、いけない、こんなことしてるまに莓瑠のお迎え時間になっちゃった。
お化粧しなくちゃ。
莓瑠の担任の
23歳の新人教師でジャニーズ事務所の面接に落ちたらしいって噂で聞いてる。
事務職の面接だったらしいけど、イケメンには変わりがないし。
あーっ、やばい、車、ぶっ飛ばさないと間に合わない。
警察怖いし・・・
そうだあいつを呼ぼう。
もと、暴走族総長だった私の叔父、やっさん。
55歳でもまだ暴走してるって聞いてるしぃー…。
「やっさん、ありがとう。たすかったよ。」
「他でもない、メイの頼みとあれば断る理由もねぇよ。いつでも聞いてやるからな。」
やっさんに苺瑠の学校まで送ってもらった私は、無事に溝川先生に会うことが出来たの。
やっさんは何時もの様にそのあと道路交通法違反で厳重処分になっちゃったけど、いつもの事だし、まあいいかなって・・・
60キロオーバーだからしょうがないよね。
法定速度50キロを120キロで走ったんだから。
やっさん、反省してね。
私は、溝川先生に逢えたからよかったわ。
溝川先生は、苺瑠達生徒を見送っているところだった。
「きゃー、やっぱりイケメン。」
思わず、声に出して言っちゃった。
誰も聞いてなかったかな。
周囲には、私のライバルのママ友たちが溝川先生に集りついてて。
私は、そんな虫けらたちを押しのけて苺瑠の手を取って・・・
「溝川先生いつもお見送り有難う御座います。」
そしたら、ママ友たちの視線が、百本の矢が降ってくるように、私一人に降り注いで来たの。
配信動画で見た仁樹が好きな香港映画の「
溝川先生の自衛集団が、正しい人である私に、モテない妬みを矢に込めて放ってくる。
私はその矢を、あっという間にはじき返して、息もみだれず涼しい顔で去っていく。
ジェット・リーならぬジェット・メイって感じかな?
兎に角、苺瑠と一緒に後ろ髪をひかれながら、下校してきた私たち。
勿論帰りは、ハイヤーで・・・
実は、百本の矢が降り注いでいるときに、溝川先生に週末、食事の約束をねだってて、オッケー貰っちゃった。
流石でしょ。
やっぱり、恋愛修行は大事よね。
日曜日、天候晴れ。
「苺瑠、今日お留守番しててね。お母さん大事な用事があるから。家から出ちゃだめよ。いつも言ってる通り、お友達は家に来てもらいなさい。皆にあげるお菓子の場所分かってるでしょ。遅くなったら、電話で出前のおじさんに、特上寿司って言ったらいいからね。」
今日は、溝川先生と初デート。
相手がイケメンだと、やっぱり一緒に歩きたいでしょ。
周りに羨ましがられて優越感に浸れるし。
だから、普段使うことがない電車を使おうねって約束したの。
どんなデートになるのかな?
期待におっきな、おっきな胸が高鳴っちゃうわ。
私、巨乳だからね、本当なんだからね・・・
溝川先生の姿が、ホームにあって私はドキドキがさらに高鳴ったの。
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