不倫デビュー?!
「全くぅ、今の若い男ってホントダメね。これからって時に、上司の電話に慌てて、逃げだして帰っちゃった。もう!でも、な~んか私忘れてる気がするんだけど…、えっ、あっ、やばいっ。ゴミ出しの日忘れてるぅ。いやだ、もう、私ったら。急がなくっちゃ。」今日は生ごみの日、忘れたら、たいへんよう!向かいの家の
あっ、良かった。
まだごみ持って行ってないわ。
「お早う御座います。メイさん。」
聞き覚えのある心地いい声は、忍足さんの旦那さん。
マッチョな上に一流企業の経営者。うちの家より、立派な家のご主人。しまった、化粧してないわ。
顔を見つめたいけど、見られたくない。
どうしたらいいの?私…
「お、お早う御座います。忍足さんとこのご主人。」
顔を合わせないようにごみを整理する振りっと。
「あっ、奥さんお手伝いしましょう。」
「いっ、いえ、そんな、困ります…。」
あ~っ、もう私の素顔を見られちゃう~。
もう私、貴方のものになるしかない…。
「近頃、カラスがよく食い荒らして困りますよね。家の前だから余計に腹が立ちます。」
「か、からすぅ???」
私の素顔を見てもカラスの話なんて。
「奥さん、素顔も可愛いですねっとかないのぉ?」
気を取り直して、もう素顔見られちゃったから、彼の顔をまじまじ見つめると何かが弾けた。
一瞬で彼の厚い胸に飛び込みたい衝動に駆られて、彼も、私の目を見つめて固まってる。
もしかして、私、とうとう、不倫をしちゃうの・・・。
「お、奥さん。僕仕事に行かなけれがならないので、これでしつ・・・・。」
嫌、このシチュエーションで離ればなれなんて嫌。
勇気を出して言っちゃうわ。
「私、この後、ショッピングに行くんですけど、ご主人の会社の近くでいい店を教えてくださいませんか?」
えっー、私なんて言ったの?
どうしよう?
「それなら、うちの会社の系列会社にはアパレルもありますからご紹介しましょう。ご洋服で宜しかったですか?宜しければ今日にでも。」
えー、ほんとにー。
これで、私、不倫デビュー!?
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