宅配の男
「ただいまぁ。」
仁樹が帰ってきたわ。
莓瑠も揃って夕食の時間。
今日は仁樹のお仕事のことを話題にしたいな?
「今日お仕事どうだった?」
私の質問に仁樹は箸を突然置いて、「せっかくの家での夕食時に仕事の話はするな。」だって。
怒られちゃった。
でもそれだけ家庭を大事にしてくれてるってことを私は嬉しく思った。
でも、彼、夕食の後、ずっとスマホを操作してる。
なんだかすっごく気になっちゃって。
もしかして、浮気相手とのライン?
仁樹がお風呂に入ったのを見計らって、彼のスマホをチェックしたら、
「またきてね。」
「ああ、必ず行くよ。今度はいかせちゃうよ。」
「強く突いてね。」
ってメッセージ交換が…。
やっぱり浮気してたのかってショックを受けて。画面をスクロールしながら浮気相手とのメッセージを見ていったの。
そしたら最後に、『ロボットソープ・エンドレス』って書いてあった・・・
スマホを置いて食器の片づけを淡々と進める私…。
そんなにやりたいんなら私とセックスすればいいのに。
同じ穴の
専業主婦って毎日が我慢の日。
やりたいこともたくさんあって時間もあるんだけど、それをしていたら家族のことがおざなりになって専業してる意味がなくなっちゃう。
時間があれば家のお掃除を細かいところまでしてみたり、莓瑠のお部屋を可愛らしく片付けてみたり怒るばかりが親じゃないもんね。
今日は、お料理に時間をかけることにしたわ。
今までに作ったことのない家族が食べたくなるお料理。
まずは何のメニューにするか・・・だけど。
ネットでトレンドレシピっと…。
えぇぇ!
昔は、何かと言えば女子アナとなんて時代があったけど、今でもアイドルもっていちゃうもんね。
あいつらは権力を笠に着て私腹を肥やしてる。
テレビ局という権限を最大限に生かして。
まあでも、ある意味、それも彼女たちのお給料の内なのかな?っていうか臨時ボーナスかもね。
あーでもショックぅ。この後10時から、美影譲生のドラマCSであるのに見ないといけないかなー?
どうしよう、決められない・・・。
「ピンポーン!」
もう!こんな忙しい時に来客なんて。
もうちょっとで決まりそうなのに、誰なのよぅ?
えっ・・・・・。
私又なんか買ったっけ?
「お早うございますぅ。宅配便ですぅ。」
巨袢宅配。
でも、今日の宅配男、何時ものやぼったい男じゃない…。
イ・ケ・メ・ン・・・。
「はーい、すぐに行きまーす。」
宅配商品は、この間、タップした化粧ポーチだった。
勿論、ブランド品。
だけど、その後スマホをスクロールしてもう二品タップしたわよね。
という事はこのイケメンはあと二回もしくは一回は家に来るってこと。
後で商品タップしておこう。
「こちらが商品になります。受取のサインお願いします。」
「はぁい。」
ふむふむ、名前は
彼の胸元のネームプレートの文字が私の脳にインスパイアされたたわよ。
翔汰くん、貴方はもう私のものよ…。
うふふふ・・・。
「有難う御座いましたぁ!」
待って、まだ帰っちゃだめよ。
譲生様がいなくなった分あなたが私の面倒見なくちゃいけないの。
時間は十分にあるわ。
ゆっくり愛を育みましょうね、翔汰君…。
「いつもの人と違うのね。」
「えっ、あっ、先週からこの地域担当が私になって。前の人が宜しかったですか?」
何言ってんのぅ、あなたの方が数倍いえ、数百倍良いに決まってる。
もっと言えばあなたじゃなきゃダメよ、私の家の宅配は。
「いえいえ、そんなことは。随分若い人になったので。ギャップが大きくて…。幾つなの?」
「18歳です。高校卒業と同時に新卒で入りました。」
「えぇ、若ぁーい、肌もプリプリだし可愛いぃ。」
翔汰君は顔を赤らめて体が半分玄関を出ていたわ。
恥ずかしくて逃げだしたかったのね。
「そうだ、貴方きっと朝ごはん食べてないでしょう?」
彼はもじもじしながらコクリと頷いた。
「ビンゴ―。」
悟られないように握り拳でガッツポーズの私は翔汰君を家の中に誘い入れた。
濃密な若い身体との時間を期待して…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます