第10話 好き─②

「ちょっと、熱いだけ」


「ダメだって言ってるでしょ。そこに座れ~!」


「うっ、、、、強引だな」


「つべこべ言わないの。おでこ見せてね────うーん、熱はなし。とりあえずは、大丈夫そうだね。でも油断大敵! 私の上着貸すから、厚着しとこ! 後、汗は出てるからこまめ拭こう!」

 

「まったく..大袈裟だよ....ほら。汗も引いてきただろ」


「え~だって、顔歪めて苦しそうにしてたからさ。私てっきり、風邪かと思ったもん」


「だから、お節介なんだって」



 .....本当にこの変態女子高生といると、こっちの調子が狂う。


 俺が俺じゃない、不思議な感覚に陥る。


 他人の身体に乗り移ってるようで、思い通りにならない歯痒さがする。


 今はじめてのこの、気持ち(?)は、本当になんなんだろう?


 分からない。

 

 汗が引いていくうちに、俺の『分からない』が加速していく。


 はぁ。

 もう。

 疲れた。


 

 本当に今日の俺はまるで──

 



「て言うか、今日の君変だよ。いつもは、めっちゃ生意気なのに」


「....ガキ扱いしてんのか」 


「いやいや! そうじゃなくて。なんかね」


「むっ。何か文句でもあるなら、言えよ」


「..なんか、今日の君は──まるで恋する乙女みたいな感じに見えたんだ」   



       

        《完》



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

*長編版の連載は、検討中ですが。


 多分します。((笑


 

   




 


 

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スカートめくりにも、恋はやってくる 那須茄子 @gggggggggg900

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