第9話 好き─①

 ....まんまと、俺を家の中に入れるなんて馬鹿だな。

 

 寝ちまったけど、これはこれでチャンスだ。隙をついてやろ。


「ほら、座って座って! 好きなお菓子ある?」


「....お菓子ならなんでも好きだっ」


「やっぱそ~だよね。私も好きなんだ」


「えぇっ!?」


「? お菓子のことだけど?」


「あ、あぁ。そぉんなの分かってる!」



 ....どうした俺!? よく分からんけど、心臓がばくばくしてる!! 


 しかも、また身体が熱い。肌に服が張り付くぐらい、汗が止まらない。


 なんだよこれ。


 恥ずかしい。みっともない姿を、この変態女子高生には見られたくない。



「もう、、帰る」


「え~? まだお茶も煎れてないし。それに、君の用事聞いてないよ」


「用..なんて、ない」


「でもさ──って、あれ!? 顔真っ赤じゃん!!」


「う、るさい。別に大丈夫だよ」


「ダメ。そんな状態で外に出たら、死んじゃうよ」






 

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