第7話 世界ダンジョン探索協会

 地方ニュース番組


 〔さて続いてのニュースです、世界に様々な建造物が現れてから数日経ちますが政府は突然現れた建造物の調査の結果、建造物をダンジョンそして建造物の中にいる生命体を魔物と断定してから政府は早急にダンジョンに関する対策を行っています。

 現在日本国内にある発見されているダンジョンは自衛隊と警察官が入り口を封鎖し一般人が入れないように監視を行っています、まだ発見されていないダンジョンに関しては国民に発見次第、警察や自衛隊に通報するよう協力を呼びかけています。

 今後政府がダンジョンをどのように扱うのかは政府と国民で意見が割れているようです、政府はダンジョンを国有地とし一般人の立ち入りを禁止しようとする動きがありますが国民はファンタジーに出てくるダンジョンが現れたことによりダンジョンを国民にも解放するように一般人の立ち入り禁止に関して反対運動が起きようとしています。

 今後日本国内のダンジョンに関する扱いはどうなるのでしょうか〕



〜〜暁家〜〜



 「まだ日本政府はダンジョンを一般解放するつもりはないようね、まぁどのみち自衛隊や警察だけじゃダンジョンの監視なんてさせ続けていたら治安悪化するだろうし出来るはずないでしょ、ダンジョンを調査して未知のアイテムや資源を発見すれば集めるために一般人にダンジョンを解放して集めさせた方が効率がいいって思うでしょうね、そうなるとダンジョンを探索する職業もできるでしょうしそう言う職業の人達専用の施設もダンジョンの近くにできるだろうからやっぱりダンジョンを商店街に作ったのは正解だったね」


 『ですがマスター、まだ政府はダンジョンの扱いに迷っていてすぐには一般解放しないでしょう、そうなるとマスターのダンジョンを発展させる猶予ができましたね今のうちにダンジョンをもっと発展させましょう』


 確かにいまだにダンジョンの扱いに政府は迷っている、それは海外も同じでダンジョンの監視と国民への状況説明そしてダンジョンが民家や公共施設に現れたことに対する補填など、どこの国も大慌てで対処に当たっているそれは日本も同じだ。

 だが日本は海外と少し違うことがあった、それは日本にはファンタジー系の漫画やアニメ小説などが大量にありダンジョンに関する知識が他国に比べて大量にある点だ。

 実際のダンジョンに比べて多少の差異はあるだろうが知識が全くないのと多少でもあるのとでは雲泥の差だ。

 知識が多少でもあれば初動で他国より優位に立てるだろう。


 「コアの言う通り、ダンジョンがまだ探索されないことは私たちにとっていいことだけど、いつ政府がダンジョンをを解放してたくさん人が来るかわからないから油断はできないよ、それにDPの問題もあるしね元々あったDPを全部使っちゃったから私のMPを変換するしかないしそれも今のMPだと200MPずつしか変換できないから難しいね」


 私とコアがダンジョンの運営のことで話し合っていると突然テレビのニュースが変わった。


 〔突然ですがここで速報です、日本政府がダンジョン対策として世界各国との協同で世界ダンジョン探索者協会という組織を発足することが決まりました、またこの組織を作るに際しダンジョンを条件付きで一般人に解放することが決まりました、条件に関してはまた会見を開き国民に対して公表するとしています〕


 『どうやら呑気にダンジョンの発展について話している暇はなさそうですね』


 「そうみたいだね、まさかこんな早くダンジョン探索用の組織を作るなんて、しかも日本だけで作るんじゃなくて世界中の国と協同なんてよくこんなにはやく作れたよ」


 『それだけダンジョンの危険性を考えているのでしょう、ダンジョンを調査したときにダンジョン内では人間の持っている化学兵器は使えませんからね、それにこの組織はおそらく日本が主導して設立を提案したのでしょう、ダンジョンなどに関しては日本が他の国よりも詳しいですからね他国に日本が持つ情報を提供したのでしょう』


 「確かにファンタジーものは日本が一番多いからね、ダンジョンが日本の漫画なんかに出てくるからそう言うのを参考に調査していったんだろうね」


 『マスター、世界がダンジョンの探索に動いているいまわたし達も対応を急がなければいけません、ダンジョンをDPを使って隠蔽しているので見つかりませんがマスターのMPを変換しながらでも隠蔽に使うDPの消費の方が多いので長くは続かないでしょうし何より隠蔽にDPを使い続ければダンジョン運営に支障が出ます』


 現在の美羅のダンジョンはDPを使って隠蔽している、隠蔽はダンジョンの階層が増えるごとにDPの消費も増えるのだ。

 現在のダンジョン階層が3階層なので1階層につき100DPの消費で合計で1日で300DPの消費になるのだ。


 「うんわかってる、これは隠蔽でDPを消費するよりもダンジョンを見つけてもらって逆に警戒してもらった方が今はいいと思う、別にダンジョンの入り口を封鎖されて監視されてもコアに転移してダンジョンのマスタールームに入れるし家にいてもダンジョンの運営はできるんでしょ?」


 『その通りです、マスターはダンジョンマスターとして異例の存在ですから』


 「なら結局今は当分の間政府の対応を見ながらダンジョンを運営していくしかないか」


 美羅とコアは早すぎる世界のダンジョン対策に不安を感じながら今後のダンジョンの運営を話し合った。


 

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