第3話 初心者ダンジョンマスター
世界同時地震が起き美羅がダンジョンに落ちてから数日後、あれから美羅は家に帰り家族の安否確認をしたり親友と電話をしたりして互いに無事を確認した。
そしてあの地震が自分の地元だけではなく世界中で同時に起きていた事を知った、そして自分が落ちたダンジョンが色々な形をして世界に現れたことも、実際に地元にも様々な形のダンジョンが出現しているそしてその全てが国の管理下に置かれダンジョンの入り口はフェンスで塞がれ自衛隊が監視している、なかには家の敷地にダンジョンが出現してしまい土地ごと国に買い取られた家もある。
国はすでに突然現れた建造物を調査して、なかにファンタジーに出てくるゴブリンやスライムなどの魔物がいることなどを調べたそしてそれがファンタジーに出てくるダンジョンであると断定したのだ。
「政府は日本中にまだ見つかってないダンジョンがないか調べているみたい、でもダンジョンの数が多すぎて一般人がまだ見つかってないダンジョンに面白半分で勝手に入ってるらしいね、そのままダンジョンから出てきてないみたいだからダンジョン内で迷子になって出られないのかそれとも死んだのか、まあどちらにしても国が勝手に入らないように注意してるのに入ってるんだから自業自得でしょあなたもそう思うでしょ? コア」
『マスター、ダンジョンとはダンジョンコアを守るための一種の要塞ですその要塞に入ったのですからダンジョンコアを狙った侵入者として処理されても仕方ありません』
美羅は家でテレビでやっているニュースを見ながらダンジョンマスターとしての今後を考える。
今美羅の言葉に返事をしたのは数日前にダンジョンで吸収した虹玉ことダンジョンコアのコアだ、あれから家族や親友たちの安否確認をしたり地震の影響とダンジョンのせいで学校が2ヶ月間の休校になったのだ。
美羅はそのすぐにダンジョンで手に入れた知識や力の確認をした、その一つがダンジョンマスター候補になったことで美羅をサポートするためのAIの様な存在がダンジョンコアに宿っていることがわかったのだ。
美羅はそのサポーターのダンジョンコアにコアという名前をつけダンジョンの相談や説明などをよくする様になった。
『それよりもマスター、人間の国が混乱している今マスターもダンジョンを作っておくべきでは無いですか?混乱が落ち着いてからでは新しいダンジョンを作るのは難しいでしょう』
「確かにそうなんだけど場所が悪いとダンジョンを作っても人が来てくれないかもしれないでしょ?多分かなりの数のダンジョンが日本だけでも生まれてるから政府は自衛隊や警察だけだと対処できないと判断するだろうし、ダンジョンのアイテムは国にとっても魅力的でしょうなんとしてでも大量に手に入れたいと思うだろうね、だからダンジョンを近いうちに一般人に解放してダンジョンからアイテムを持って帰ってきてもらってそれを買い取るというシステムを作るんじゃないかな?」
『マスター、それがわかっているなら尚更ダンジョンを早く作るべきでは? 早く作ればそれだけ多くDPを増やせますしそうすればマスターのダンジョンを早く発展させることもできます』
DPというのはダンジョンを運営するのになくてはならないものである、DPがないとダンジョンを成長させることも魔物にダンジョンを守らせることも罠を仕掛けることもできないのだ。
「だからこそダンジョンを作る場所が重要なんでしょ? ダンジョンはダンジョンコアを守る要塞、けど人が来ないとDPが早く貯まらないから人がそれなりに来てくれる場所がいいだろうしそれにやっぱりダンジョンを作るなら家に近い方がいいしね」
『なるほど、ではその条件にあった場所を早く見つけましょう』
私の家は静岡県の富士市にある、隣にある富士宮市に比べたらそこまで有名じゃないけどそれでも住み慣れたいい所だ。
「そうだね、やっぱりスーパーとかコンビニなんかの人が集まりやすい場所の方がいいのかな? でもあまり人が多く集まりすぎてもダンジョンの成長が追いつかないだろうしそれを考えるとそれなりに人が来る公園とかかな」
私は携帯でマップのアプリを開き近くにいいところがないか探してみた、するとちょうど良さそうな場所を見つけたのだ、そこは近くに人通りがありながらもそこまで多いわけでもなくけれど近くに色々なお店が並んでいる富士駅から目と鼻の先にある商店街だった。
その商店街はそこそこのお店と賑わいがある商店街だった、毎年お祭りなんかもあり人もそれなりに集まるけど普段はそんなに賑わってはいない場所だ。
ここは閉まっているお店もなかなかあるためそこの一角にダンジョンを作ればいい、それにダンジョンを作ればダンジョンを攻略しようと人が集まり商店街も賑わうただの商店街からダンジョン商店街になるかもしれない。
そうすれば商店街の空いている店舗はダンジョンに関する道具や武器防具なんかを販売するお店もできるでしょう。
やっぱり地元なんだからもっと賑わってほしいという思いもあるしちょうどいいんじゃないかしら。
私はコアに今考えた計画を話して意見を聞いてみた。
『なるほど、ダンジョンを運営して発展させるだけではなくダンジジョンの周囲すらも発展させ間接的にマスターの理想の環境を作るつもりですか面白い発想ですね、普通ダンジョンマスターは自身の運営するダンジョンにしか興味がないものですがマスターはそれ以外にのことにも興味がある様ですね』
「まぁせっかくならもっと商店街も賑わう場所になってほしいしダンジョンの周りにたくさんのダンジョン関連のお店があれば今後のダンジョン運営にも参考になりそうだから」
『わかりました、そういうことでしたらわたしもマスターの意見に賛成です、ダンジョンの近くにダンジョンに関係するものがあればダンジョンで生成する魔物やアイテムなどの参考にもなりそうです』
これで私のダンジョンを作る場所は決まった、さっそく明日にでも商店街に行ってダンジョンを作ってこよう。
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