第2話 ダンジョンマスター候補?

 初めてゴブリンを倒して洞窟を進むこと10分程たった頃、いくら少し明るいとはいえまだまだ洞窟の先は見えない中を進んでいた。


 「ふぅ、あれから少し進んだけどゴブリンはあれ以来出てこないか、もしかしてこの洞窟にはあのゴブリンしかいなかったのかな?」


 私はゴブリンが一体しか出てこないことに疑問を感じながらも先へとどんどん進んで行く、すると先が見えないほど長かった洞窟の先に光が見えようやく洞窟の最終地点に辿り着いたのだろう思った。


 「やっと明るい場所に着いた、此処がゴールだといいんだけど」


 私はやっとついた明かりにある場所を確認するとそこは先程までの洞窟の作りではなく真っ白い部屋だった、白い部屋は薄明かりのあった洞窟よりも明るくけれど眩しすぎる訳でもない優しい陽の光の様なものに満ちた部屋だった。

 白い部屋には部屋の中心に柱型の台の上に虹色に輝く光る玉があった、それ以外は部屋に何もなくどこかに繋がる新しい道も無かった、つまり行き止まり出口が無いのだ。

 

 「そんな、それじゃあこの洞窟から出られないってこと?」


 私は途方に暮れこれからどうしようか考えていた、すると部屋の中心にある虹色に輝く虹玉こうぎょくが何かを誘うように怪しく点滅しだした。


 「なんだろう? もしかしてこれに何かあるのかな?」


 私は点滅している虹玉に誘われる様に近づきそして触れた。

 虹玉は私が触れたのと同時に今までに無いほどの輝きを発した、私は突然の光に驚き目を瞑り左腕で顔を庇った。


 「うっ、なに!? 何が起こったの!?」


 私が目を瞑ってから数秒後、光が収まったのを感じゆっくり目を開けたするとそこには部屋の中心にあった筈の私が触っていた虹玉が消えてなくなっていたのだ。


 「えっ、どう言うこと?えっあれ?虹玉は?」


 ついさっきまで確かに触っていたはずの虹玉がいつの間にか消えてなくなってしまったのだ。

 虹玉がなくなって唖然とする美羅みらは困惑していたがその美羅の目の前に突然半透明でプレートの様なものが浮いて現れた。 

 虹玉がなくなったことに困惑していたらさらに目の前に半透明のプレートが現れるという現象に美羅はどうしたらいいのか困っていた。


 「何これ、どうなってるの? 光る玉が消えたと思ったらなんかへんなものが見えるんだけど」


 美羅は目の前に見えるプレートを警戒しつつ見てみると何かが表示されている事に気がついた。


 【ダンジョンをクリアしました、おめでとうございますあなたは世界ではじめてダンジョンを攻略しました、ダンジョンクリアに対して通常報酬以外に初ダンジョン攻略報酬を付与します】


 【あかつき美羅みらは初ダンジョン攻略報酬としてステータスが付与されます、またを吸収した事により称号を獲得しましたこれにより、暁美羅はダンジョンを作ることが出来ます、またダンジョンマスター候補の効果で暁美羅にダンジョンマスター専用スキルを獲得しました】


 美羅は目の前に表示された言葉の意味が理解できず混乱していたがふっと何かが美羅に頭に流れ込んできた。

 美羅の頭に流れ込んできたのはダンジョンに関する本来人間が手に入れることが出来ない様々な知識だった。

 突然頭に様々な知識が流れ込んできた事で少し目眩と吐き気そして頭痛が一気に現れ最悪な気分になったがそれは一瞬で消えて無くなりむしろ今まで以上に頭の中がすっきりしていた、まるでぐっすり眠った後のようなすっきりさと爽快さがある。


 「なんか今まで頭のなかに靄がかかっていたみたい、それにこの頭の中に流れ込んできた知識・・・これもし誰かに知られたら私無事じゃ済まない気がするんだけど」


 美羅はすっきりした頭で手に入れたダンジョンの知識を整理してこの情報が危険であると判断した、そしてこの力は使い方を間違うと自分は世界の敵になりかねないと思った。

 美羅は今後の事を真剣に考えていると美羅がいた白い部屋の奥の壁が音を立てて左右に分かれていき新たな道が出来た。

 新たに出来た道の先には小さな小部屋がありその小部屋の中心には光る魔法陣があった美羅はその魔法陣がこのダンジョンから出るための魔法陣だと言うことにすぐに気づいた、何故なら先程手に入れたダンジョンの知識にダンジョンをクリアするとダンジョンを出るための魔法陣が現れるというものがあったからだ。

 美羅は手に入れたダンジョン知識や力の確認をしたかったがそれよりもまず家族の安全を確認する方が先決だと思い迷わず帰還用の魔法陣に乗った、すると魔法陣が光だし光が視界を覆った反射的に目を瞑り身構えてしまったが光はすぐに収まりゆっくり目を開けるとそこは地震が起きて頭を抱えしゃがんでいた学校からのいつもの帰り道だった。


 「はぁやっと帰ってきたんだ、とりあえず早く帰ってみんなが無事か確認しないと、あれからダンジョンに結構いたからかなり時間がたってるんじゃ無いかな」


 美羅は携帯の画面を見ると時間は地震が起きてから今までたったの10分くらいしか立っていなかったのだ。

 美羅は体感で1時間ほど経っていると思っていたのでたった10分くらいしか経っていないことに驚いたがすぐにダンジョンの知識からそれがあり得ることだと理解した。


 「まぁ、ダンジョンはなんでもありみたいなとこがあるみたいだし今は気にしない様にしよう、それより家族と親友からすごい数の留守電が入ってるとにかく家に帰りながら電話して確認しないと」


 美羅は家へと歩みを進めながら電話をしてくれた家族と親友に電話をかける、これからの自分の人生が平凡なものからはかけ離れた波乱に満ちたものになることに不安半分期待半分の気持ちを持ちながら。

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