第3話 色
覚えているかな。
君は空を見上げて、僕にこう言ったよね。
どうして、空に浮かぶ雲は白いのってね。
当たり前だろう。
でも、本当は違うよ。
それは君の心が白く透き通っているからだよ。
僕の心は何色だったのかな。
せめて、澄み渡る青い空のような青って言ってほしいな。
そうしたら、いつも君といっしょにいられるだろう。
できるならば、そこに、美しい木々のような優しい緑がほしかったな。
そんな事を言いたら、君は悲しむね。
ごめんね。
こんな事を言って。
もう君はいない。
まだ聞きたいのかな。
もういいだろう。
わかった。
いいよ。
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