第2話 竜宮城?
「エエエエェェエエエエッ!今見た竜宮城のような世界やカップルは、ただの幻だったのかしら?」
「イヤ?俺も見たし……」
「まぁ……でも何もなかったように、いつもの帰り道になっていたのだから忘れましょう」
🏯🐢
次の日の事だ。
「彩今日の学校の帰り道、昨日の道帰るの怖くないかい?」
「フッフッフ!淳たら……男のくせに弱虫ね……」
「言ったな——ッ!いいだろう。上等だ!通ってやるさ」
こうして、昨日の帰り道の近くに差し掛かった2人。
するとやはり昨日のカップルが前方から美しい容姿とは裏腹に、無表情で到底この世の者とは思えない蠟人形のように瞬き一つせずに、氷付くような冷たい表情で通り過ぎようとした。
そこで淳と彩は顔を合わせて一斉にそのカップルに話しかけた。
「ねえ?昨日も会ったよね?」
すると美男美女カップルが意味有り気に、漆塗りの豪華な玉手箱を2人の前に差し出し蓋を開けた。
もの凄い煙がモクモクと辺りに立ち込め、あれだけ美しかったカップルが、何とも恐ろしい事に骸骨となって現れた。そして…何とも意味深な言葉を吐いた。
「会えて……会えて……嬉しい。ウウウ(´;ω;`)ウゥゥワァ~~~ン😭ワァ~~~ン😭」
「エエエエエエェエエエエエッ?」
すると海の孤島に浮かぶ荘厳な古神殿が、煌びやかでカラフルな魚たちが回遊する真っ青な水面に、一瞬で消えた。
”ザザザザ ザッブ———ッ!ザッブ ザッブ————————ン”
それと同時に淳と彩は大きな亀にまたがり一瞬で海の中に入って行った。
彩りあふれる海中はまさしく豪華絢爛たる龍宮城そのもの。舞いを披露しながらゆらゆら回遊するタイやヒラメの舞い踊り。
乙姫さまは、おとぎ話さながらの絶世の美女である。髪には桜貝と真珠のティアラを付けて、桜色の着物風ドレスに、胸元にはキラキラ輝く真珠のネックレスを着け、金色の貝や魚の刺繡をあしらった羽衣を揺らしながら現れた。
竜宮城はまさしく得も言われぬ美しい、おとぎ話浦島太郎の世界だった。
🏯浦島太郎🐢
浦島太郎はいじめられている亀を助けた。お礼にと竜宮城に連れて行かれたが、豪華絢爛な大広間で美しい乙姫様にもてなされ、豪華なごちそうとタイやヒラメの舞い踊りに毎日楽しい日々を過ごしていた。
しばらくたって母親のことが心配になった浦島太郎が家に帰ろうとすると、乙姫様から「決して開けてはいけませんよ」と玉手箱を渡された。
だが、帰って見れば、顔も知らない人々ばかりで長い長い年月が過ぎていた事を知る。浦島太郎は心細さに玉手箱を開けてしまい、おじいさんになってしまった。
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