文章が箇条書きだと言われたのでそれを脱却するため練習する

「お前の文字は箇条書き」。自作を酷評されたトクメイ太郎は“復讐”を誓った。箇条書き問題を克服するがために問題の作をあえて公開した上で修正版を並べ、テーマを掲げて練習作を綴り……これはひとりの書き手の挑戦、その軌跡を辿るドキュメンタリーだ!

 隠したいのが当然な自身の問題を曝け出し、向き合う姿勢がとにかくすばらしい! そしてテーマを定めた練習作の執筆、これがとてもいいのです。書き手が「これを書く!」と示せばこそテーマは絞り込まれ、読者もまたその一点に集中して評することができます。ジャンル問わず自分ひとりではなかなか強くなれないものですが、読者の目を助けに筆を磨くこのスタイル、投稿サイトという場の特性を最大に活用した強化法だと思うのですよ。

 加えて、読者的には書き手が進化していく過程を見ることができる、言わば育成ゲーム的な楽しみかたを得られる点もおもしろいですよね。

 これまでにない作家修行企画、ぜひみなさまも応援コメントでご参加を。


(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=高橋剛)