第3話ストーリーの整合性と箇条書きにならないための練習パターン1
小百合と修二は付き合って半年。同棲一か月のカップル。
「今日は俺が夕ご飯を作るよ。こう見えても俺料理美味いんだぜ。」
「ほんとに! 楽しみにしてる!」
修二は同棲している1LDKのマンションの一室の台所を使って、彼女に手料理をふるまおうと準備していた。その料理はチンジャオロース。作り終わると、修二は、自分で作った手料理を彼女に食べてもらえるのが嬉しくて、楽しみにしながらリビングにある机に持ってく。
彼女は最初その料理を見て顔に出さなかったが、言葉が出なくなる。
(え……ピーマンだ……どうしよう)
小百合はピーマンが苦手だ。
せっかく彼氏が作ってくれたことや、同棲してまもない事もあり、小百合は気をつかってピーマンが嫌いと言えなかった。
(困った)
小百合は内心そう思って時間だけが過ぎていき、リビングでその料理を対面するように椅子に座ってる机を使って2人で一緒に食べる事になってしまう。
「そういえばさ、さっきからなんでピーマン残してるの?」と修二。
「え、とね。私。……ピーマンが嫌いなの」と小百合。
「まじか! ちゃんと食べたほうがいいぞ!」
「そうなんだけどさ。苦いから苦手なの」
「好き嫌いは良くないぞ」
「わかってるけどさぁ。でもさ、そういう修二こそご飯粒を茶碗にいっぱい残して子供みたいな食べ方だね」
「なんだと。ピーマン食べれない奴に子供とか言われたくないわ。美味いからとりあえず食べてみ」
「嫌だよ。嫌いだし」
「お前の悪い所はそう言う苦手意識が強い所だぞ。そう言う所子供みたいだ」
「じゃあ、もう一回いうけどね。そんなこと言ったら修二だってお茶碗にご飯粒いっぱい残して子供みたいだよ。」
「これは、取りにくいからあえて食べないだけで、俺は好き嫌いないぞ」
「それ一番たち悪いじゃん。」
「そうかな?」
「そうだよ。洗い物するのは私だよ。ちゃんと綺麗に食べてよ。」
「え、とそれは……」と不満そうな修二。
「どうしたの?食べないの」
「わかったよ。食べればいいんだろ」
修二は小百合の言われた通り、お茶碗のご飯粒を一つ残らず食べるのだった。
「どうだ!食べたぞ」と修二はドヤ顔をする。
「やればできるじゃん」と言われ、修二が喜んでいるのもつかの間。
「今度はお前の番だぞ。さあ、ピーマンを食べましょう」
(え、どうしよう……消えたい)
小百合は内心どうしていいかわからず戸惑っていた。
「早くしろよ」小百合は焦らせる修二に対して初めて嫌悪感を抱く。
(なんで私……こんなに攻められているの?)
内心思っていても、そんな事言えない。
「早く、早く、早く」と煽る修二。
追い詰められた結果。小百合は、ピーマンを食べる選択肢しかなく、目をつぶりながら食べた。
「どうだ? 美味いだろ」と自慢げに修二が言う。
「嘘。美味い。こんなにおいしかったんだ。」と小百合は今まで食べていなかったことに対して、人生損をしていたと思うくらい感動する。
「まあ俺の料理スキルが高いからだよ」と修二はドヤ顔をして、小百合がピーマンを食べる事ができたのを、自分の事のように嬉しそうな顔でテンションが上がって見ていた。
「またそうやって調子乗る。悪い癖だよ」
「でも、俺の料理で食べれるようになったから、そういう事だろ」
「そういう事にしといてあげるよ」
こうして修二はご飯を綺麗に食べるようになり、小百合はピーマンが食べれるようになった。
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