第3話 日常の日常

 あああああ、憂鬱だ。それは英語のテストが近いのだ。


 最近は英語教育の低年齢化で出来る人と出来ない人との差が激しいのだ。うちは貧乏なので英語教室などには通わせてもらわず。


 英語が出来ない組なのだ。


 私は職員室に向かい外国語指導助手のベッキーを探す。


「あ、ベッキー、英語の勉強をしたいの、手伝って」

「何だ、芸無し、ヴァンパイアじゃないか」


 相変わらずの毒舌トークだ。しかし、ここは我慢、我慢。嘘でもいいからおだてて、英語の勉強を教えてもらおう。


「私、今、困っているの、天才美少女のベッキーが必要なの」

「うむ、そこまで言うなら、手伝おう」


 やはり、コイツは子供先生だ、簡単に個別指導を受ける事ができた。そして、二人で英語準備室に向かい。ベッキーから個別指導を受ける。


 あーベッキーからいい匂いがする。シャンプーなのか香水なのか、わからないが甘い匂いだ。


「ベッキーって以外と大人なのですね、ブラとかは?」


 素朴な疑問をぶつけると……。


「勿論、着ている。スポーツブラだが」

「へー、世の中のロリコンが喜ぶやつですか?」

「まあな、私はロリコン以外からもモテるぞ」


 イヤ、ベッキーがストライクゾーンならロリコンだろ。


「ま、事情としてはこの歳で身長が伸びなくなってな。このままだと、ちびっ子先生のままなのだ」


 確かベッキーは小学生の年齢……そこで身長が止まるのは一生ちびっ子先生なのか。


 これは将来、いわゆる合法ロリになるのか。


 うううう、ただの貧乳の私にしたら少し羨ましいのであった。


 私達三姉妹は基本的にモテない。長女の夜葉はバイトが忙しく恋など要らぬと言うし。二女の露葉は乙女ゲームにハマり。現実の男子など要らぬと言うし。


 私はコンプレックスの塊でモテる訳がないと男子には近づかない。


 ああああ、恋がしたい。


 そうだ!市民プールに行ってナンパされよう。私は昔の水着を取り出して市民プールに向かう。市民プールに着くとそこは老人がプールの中で歩いていた。


 そうそう、膝の痛みに水の浮力でカバーできると。


 違う!!!


 若い男子はおらぬのか?探してみるが老人だけである。仕方がない、ここはひと泳ぎして帰ろう。


 ぶくぶく……。


 私の体が水の中に沈んで行く。げ、泳げない。


もう一度……ぶくぶく……。


やはり、泳げない。


「お嬢ちゃん、水泳の練習かい?」


 ババアが声をかけてくる。


「え、まあ、そんなとこです」

「こっちで一緒に歩くかい?」

「遠慮します」


 私はババアの誘いを断り、もう一度泳いでみる。


 ぶくぶく……。


 もう嫌だ、こんな人生、カッコイイ男子とバカンスしたい!!!


 結局、ババア達と一緒にプールの中を歩くのであった。

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