第15話 ターニングポイント
***だが、その時、突然魔王の体が光り輝いた。***
「何だとッ!?」
魔王が驚愕の声を上げる。そして、自分の体を見ると、信じられないという顔をした。
「これは一体どういうことだ!?」
魔王が自分の体を触って確かめる。だが、その手は透けており、まるで幽霊のようになっていた。
「まさか、我は消えるというのか!?」
魔王が焦燥する。だが、魔王の疑問に答える者は誰もいない。
魔王は消滅した。そして、アリアは涙を流しながら秋冬に駆け寄っていく。
魔王は死んだ。これでこの世界に平和が
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ねぇ、いつまで続けるの?
一体いつまでこの茶番を続ける気なの?
一体これに何の意味があるって言うの?
『揺らぎ』やら『気まぐれ』なんて曖昧なものの為なの?
私は知っている。
そんな曖昧なものよりもっと確かなものを。
それは、人間なら誰しもが持っていて。
それは、他人に分け与えることができて。
分け与えた者、分け与えられた者、どちらも幸せになることができるもの。
世界は悲しみや憎しみで溢れているけど。
でもそれ以上に、世界はそれに満ち溢れている。
……そうだよね、お父さん、お母さん、秋冬。
私はあなた達から貰ったこのかけがえのないもので。
この物語を終わらせる。
***
魔王の凶撃がアリアに迫る。
「!! アリアッ!!!」
俺はどうすることもできなかった。
ただ、アリアの命が奪われるのを見つめることしかできなかった。
魔王の大剣がアリアに振り下ろされた。
だが、大剣は何もない空間を薙ぎ払った。
「…何だと」
魔王が困惑の声を上げる。アリアは忽然と姿を消していた。
「どこへ行った?」
魔王が周囲を見渡す。だが、アリアの姿はない。
「……まさか」
そこで魔王が何かに気付いたようだ。その時、アリアの声がどこからか響いてきた。
『魔王、もう終わりにしましょう。この不毛な戦いを』
「……残念だがそれはできない。我か創造主、どちらかが諦めない限り、この戦いは未来永劫永遠に続くのだ。我は決して諦めない。お前達を倒して世界を滅ぼす、それまではな」
『そして、創造主も、私達が魔王を倒して世界を救うまで、物語を永遠に続けると』
「そういうことだ。我は創造主と同じ力をもって、お前達を倒すまで何度でも物語を繰り返す。創造主が『揺らいで』物語を諦める、その時までな」
『なら、私が終わらせるよ。この物語を』
「どうやって? 今のお前には何の力も残されていないはずだ」
『力なんかじゃないわ。これは、そう、’’アイ’’』
「……愛だと?」
****『auyterre,akloppoan.kiueeyhaaneaqwerserserrsw??』****
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