月や火星の一日を空想する
各国が争うように月へ探査船を飛ばしている。
近い将来に、米国のアポロ計画のように、再び月面に人類が足跡を
残すときが来るのだろう。
いずれは火星も……
水や空気は完璧にリサイクルできれば、補給し続ける必要は無い。
将来的には食料も、そういうリサイクルができるようになるだろう。
降り注ぐ宇宙線による放射能被ばくも、いずれは防ぐ技術もできるだろう。
しかし、人間の力ではどうしても変えられない物が有る。
その一つが、『重力を想う』で書いた重力の問題。
そして、コントロールできないもうひとつが、天体の『昼と夜』だ。
★ 月面移住を空想する ★
月のある地点に住んでいるとする。
月は地球のように二十四時間で自転してはいない。
自転周期は27日とちょっと。
毎日、太陽が見える方向に向くとは限らない。
そうだ。良く考えると、
地球から見える月の満ち欠けは約30日弱のピッチだ。
15日弱の昼、そして太陽が見えないのが15日弱。
地球では当たり前のような、一日の中の「昼と夜」は月には存在しない。
ああ、なんということだ。なんだか耐えられない世界じゃないか。
そりゃ、建物の中にずっといるなら関係ないと思うだろう。
でもそれは本当なのだろうか?
少なくとも、人類が月に移住したとしても、一日が二十四時間という
人間の生活のリズムは、大きくは変えられないだろう。
そうだ。他の天体に移住したとしても、
人間の体は地球の自転周期に縛られている。
★ 火星はどうだ? ★
調べると、火星の自転周期は二十四時間三十六分だ。
ああ、神様ありがとう。
本当にそう思った。
火星なら、地球とほぼ同じように一日の中に「昼と夜」が有るだろう。
月の方が距離は近い。でもこの自転周期を知った時、
私の空想の中では火星の方がずっと住みやすい星となった。
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