満地球を空想する

地球から見る満月はとても美しい。


では、月から見る、「満地球」はどんなに素晴らしいか?

そんなことを考えると、寝れなくなった。


地球は月よりもだいぶ大きい。だから、月から見る「満地球」は、

地球で見る満月よりもかなり大きいはずだ。


調べてみる。


地球の直径は月の直径の三・六七倍。月から見る満地球の大きさ

(見た目の面積)は、地球から見る満月の大きさの十三・四倍。

そして明るさは数十倍。


うーん数字では良く分からないが、これはかなり眩しいはずだ。


月明りのような、ほんわりしたわびさびの世界とは全く違う。

どんな明るさなのか、頭で想像できなくて苦しむ。


そんな明るい星の上で青い海に白い雲、それらが動いていく。

ん? ここでふと疑問が沸いた。


月で見る「満地球」は地球で見る月のように、

地平線から昇り、そして地平線に沈むのか? 


いや違う。それは間違いだ。


月は自転周期と公転周期が一緒で、地球にいつも同じ面を向けている。

なんとなくピンと来ないが……


月は『うさぎが餅つきしている』面をいつも地球に向けている。

これのほうが実感として分かり易い。


そう。


月がいつも同じ面を地球に向けているということは、

  月の地球側にいる人には地球が見える。

  月の裏側にいる人からは地球は見えない。


また、月の地球側にいる人にとっては、

地球はいつもほぼ同じ場所に見えている。


地平線から『昇る』ことも『沈む』こともない。

これに気が付いたとき、頭の中がした。


月面移住の話は良くあるが、それは月の地球側なのか裏側なのか?


地球人ならもちろん地球側のほうが好きだろう。(おそらく)

そう考えると、月面移住都市での地球側(アースサイド)と

裏側(バックサイド)の人々のが見えて来る。


このことだけで「物語の卵」がいくつも生まれそうだ。


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月面移住都市での地球側(アースサイド)は富裕層

裏側(バックサイド)の人々は労働者層

アースサイドの人々は、バックサイドの人々を馬鹿にして、

バックサイドではなく、と揶揄する。

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そんな月面都市のバックサイドで生まれ育った人は、

地球を見ることなく成長する。


その人たちが、地球に寄せる思いとはどんなものだろうか?

もしも初めて満地球を見たら、どう思うのだろうか?


自分の頭の中の物語の主人公に、そんな経験をさせたくなった。


稚拙な表現しかできないので、何度書き直してもうまく書けないと分かった。


まぁ、でもそれでいいのかもしれない。


いま、僕が上手く表現できなくとも、いつの日か現実の世界で月面を

訪れた人が、実際に満地球の美しさを沢山語ってくれるだろう。


そして、何世紀か後には、バックサイド育ちの人々が

始めて地球を見て感動の声を上げるだろう。


その日は、少しずつ近づいているはずだ。


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