オウムアムアを空想する

2017年ののニュースは衝撃だった。


オウムアムアの事を知らない方は、ぜひググってもらいたい。


人類が確認した


簡単に言えば、太陽系ではない


オウムアムア(Oumuamua)とは、

ハワイ語で「偵察者」、「使者」、「斥候」などを意味するらしい。


ワープを考えなければ、太陽系以外の恒星系から来るには

気の遠くなるほどの年数が必要だ。

これはまさに が太陽系に来たのだ。


しかも特筆すべきは

オウムアムアが地球に最接近したときの距離は約2400万キロで

地球と火星の接近時よりも遥かに近いところを通ったという。


さらに、そのオウムアムアの発見は、地球に最接近した5日後だという!


ああ。なんということだ。


これだけ科学技術が発展したと思っていたのに、

他の恒星から飛んできた物体が、地球のすぐ近くを通過したのを

五日後になって知るなんて!


コースが悪ければ「発見」される前に衝突していてもおかしくなかった。

これは空想の物語ではなく、現実に起きたことなのだ。


しかも、調べるとオウムアムアの速度は、それほど速くないらしい。


速すぎて発見が遅れたのではない。

発見が遅れたというのだ。


そう。このニュースを聞いた時から、

ひとつの「物語の卵」が大きくなり出した。



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自らが光を発しない暗い小天体は、地球圏への接近がなかなか探知できない。

人々が、気が付いた時には、もう衝突コースになっている

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巨大隕石が地球に降るという話は

アルマゲドンやディープインパクトなどの映画でお馴染みだ。


でも、そういう一発アウトのような隕石ではなく、

数えきれないほどの小さな小さな小天体が、無数に集まったもの……

自らは光を放つことがなく、暗い小さな天体が何千年もかけて太陽系に

近づいてくるというのはどうか?……


人々は、その膨大な量の小天体が、すぐ近くにくるまで気が付かない。



僕の頭の中の「物語の卵」が孵化を始めた。



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 無数の暗い小天体が集まって、まるで星雲のような規模になり、

 宇宙空間を遥か遠くから飛んで来る。

 その小天体群が、遠くの星々の光を遮って初めて、人々はその存在に気が付く。

 

 それは、夜空に瞬く星々の光を『雲』が覆い隠すように。

 小天体群が、遠くの星の光を覆い隠す。


 その存在に気が付いた人々はそれを『小天体雲』と呼ぶようになった

 

 その『小天体雲』が『太陽系』に迫って来て、何世紀にもわたり太陽系の

 天体に衝突し続けている。

 地球や月面都市には数多の隕石が降り注いだ。


 人々はそれを『隕石嵐』と呼んだ。

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ああ。2017年のオウムアムアの登場で、この隕石嵐のエピソードが誕生した。


オウムアムアありがとう。

君のおかげで「物語の卵」が孵化して、歩き出した。










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