第4話

 報告があってから十数日が経ち、酒場や村での噂話と行商人への聞き込みで、親友の留置・隊長解任が事実であると判明し、レーヴェンは執務机に拳を強く叩きつけた。

「なんてことだ、…あの野郎っ!」

 言葉に出せば憤怒が込み上げ、彼の胸を焼き焦がす。執務机に置いた握り拳は力を入れ過ぎて肌白くなっている。

「あいつは絶対に謀反など企んだりしない! …それにしても…。」

 吐息し、数枚の書き付け書類を執務机に広げ見る。話に聞いた通り各種税金や接収料の増額のほか、労働監視と食糧納付の強制に加え、人員整理で新しく入れられた騎士たちの、村人に対する傲岸な振る舞いと目に余る狼藉。

 彼は、別の意味で頭を抱えた。…あからさま過ぎるだろう。

「狡猾な奴だったらもっとうまく立ち回るだろうに、わかりやすいヤツだ。…ま、上への報告は色々と押さえてからだな。」

 彼は数名の部下を呼び出して指示を出し、本来の業務をこなす傍らで、時には自ら視察に出たりなどして、着々と準備を進めていった。

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