第4話
報告があってから十数日が経ち、酒場や村での噂話と行商人への聞き込みで、親友の留置・隊長解任が事実であると判明し、レーヴェンは執務机に拳を強く叩きつけた。
「なんてことだ、…あの野郎っ!」
言葉に出せば憤怒が込み上げ、彼の胸を焼き焦がす。執務机に置いた握り拳は力を入れ過ぎて肌白くなっている。
「あいつは絶対に謀反など企んだりしない! …それにしても…。」
吐息し、数枚の書き付け書類を執務机に広げ見る。話に聞いた通り各種税金や接収料の増額のほか、労働監視と食糧納付の強制に加え、人員整理で新しく入れられた騎士たちの、村人に対する傲岸な振る舞いと目に余る狼藉。
彼は、別の意味で頭を抱えた。…あからさま過ぎるだろう。
「狡猾な奴だったらもっとうまく立ち回るだろうに、わかりやすいヤツだ。…ま、上への報告は色々と押さえてからだな。」
彼は数名の部下を呼び出して指示を出し、本来の業務をこなす傍らで、時には自ら視察に出たりなどして、着々と準備を進めていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます