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月夜烏は火に祟る

月夜烏は火に祟る

杠明

おすすめレビュー

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★★★
★42
14人が評価しました
本文あり
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本文ありのおすすめレビュー

  • 小野塚 
    1588件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    この村に祟るものは、一体何だったのか。

    不遇な一人の男が、夢破れて故郷の鄙びた
    土地へと戻る。暫くの間、生まれ育った
    村でゆっくりして再起を目論む。一方、
    役所勤めの夫との間に一子をもうけた女。
    村の閉塞感に辟易としながらも子供の為に
    不承不承の生活を営むが。

     この村は何処かおかしい。

    だが、その本質を指摘する事が出来ない。
    何故なら、この土地は今でも日本各地、
    何処にでもあるのだから。

    異様な鴉の群れ、そして蔓延する謎の病。

    四方八方から雁字搦めにされた村の中で、
    他所からの視点を持つ者達は、漠然とした
    不安と共に様々に思いを巡らせる。

    この構成が、非常に秀逸であると驚く。

    これは『呪い』なのか、それとも
    『疫病』なのか。或いは…。

    ホラーとしてもミステリーとしても、更に
    鋭くエッジの効いた人間ドラマとしても
    素晴らしい作品だろう。
    こういう本格ミステリーホラーが在る、と
    言う事を是非にも知って欲しい。



    • 2025年6月21日 03:50