第62話 面倒な事

女王ね。

まーた面倒そうな奴が出てきたもんだ。


「エルフの国が俺の事を監視ってなんか意味あるのかな?」


『お忘れかもですが、マスターはユニークモンスターに進化した竜種二体を圧倒しております。

どの国も各地に密偵や監視員を潜ませているので、マスターの情報はすぐに行き渡った物と思われます。』



あ、そういえばそうだった。

それなら監視をつけられるのも納得?


「まぁならいいか。ごめん、縄解くね。」


「え?」



三人のエルフの縄を解き解放してあげる。


「いや、なんで解放してくれたんだ?」


「いや、なんか俺が悪い様な気がしたからさ。」



「そ、そうか。」



「んじゃこれで。後は俺の事を監視するなり好きにしてくれたら良いよ。レク帰ろう。」


「え、ええ。」


◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️

「何!?監視に失敗した!?」


「は、はい。申し訳ありません。」


「はぁ。面倒ね。」


だが、エルフの国でも指折りの密偵がいとも容易くバレたのだからメリーとやらの実力は無視出来ない領域に達している様だ。


「あ、そういえばもう一つ報告なのですが…」


「何?」


「以前スキル無しで追放したエルフがどうやら保護された様です。」


「へえそうなの。」


スキルの無いゴミなんてどうでもいい。

その報告は気にも留めない。だが、その報告はメリーの逆鱗に触れる事を回避できる唯一の手段だった。







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