第62話 面倒な事
女王ね。
まーた面倒そうな奴が出てきたもんだ。
「エルフの国が俺の事を監視ってなんか意味あるのかな?」
『お忘れかもですが、マスターはユニークモンスターに進化した竜種二体を圧倒しております。
どの国も各地に密偵や監視員を潜ませているので、マスターの情報はすぐに行き渡った物と思われます。』
あ、そういえばそうだった。
それなら監視をつけられるのも納得?
「まぁならいいか。ごめん、縄解くね。」
「え?」
三人のエルフの縄を解き解放してあげる。
「いや、なんで解放してくれたんだ?」
「いや、なんか俺が悪い様な気がしたからさ。」
「そ、そうか。」
「んじゃこれで。後は俺の事を監視するなり好きにしてくれたら良いよ。レク帰ろう。」
「え、ええ。」
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「何!?監視に失敗した!?」
「は、はい。申し訳ありません。」
「はぁ。面倒ね。」
だが、エルフの国でも指折りの密偵がいとも容易くバレたのだからメリーとやらの実力は無視出来ない領域に達している様だ。
「あ、そういえばもう一つ報告なのですが…」
「何?」
「以前スキル無しで追放したエルフがどうやら保護された様です。」
「へえそうなの。」
スキルの無いゴミなんてどうでもいい。
その報告は気にも留めない。だが、その報告はメリーの逆鱗に触れる事を回避できる唯一の手段だった。
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