第56話 洞窟世界へのゲート

「メリー、地下室を作るのね?」


「うん。そうだよ。」


マキが皆を呼び、今俺たちは階段の前に集まっている。


「まぁ説明は取り敢えず後。作るから待ってて。」


「ええ。」


取り敢えずある程度掘り抜けばいいのかな?


『「アイテムボックス」を使用し空間を、作成し土魔法の応用で地下室を作ります。」


スポッと、まるで最初から無かったかのように空間が開いた。


『地下室の作成を開始します…完了しました。』


瞬く間に地下室が出来上がってしまった。


階段が作られているので下に降りてみる。


「皆、一応明かりはあるけど気を付けてね」


「こんな空間を一瞬で作れるなんて…」


「流石ね。ご主人様。」



凄い褒めてくる。

スルーしよう。恥ずかしい。


『「洞窟世界創造」を使用し洞窟世界へのゲートを作成します。』


ブオオーンという変な音を立ててゲートが作られた。


「ご主人様これが?」


「武器を作るための鉱石とかを取るための場所だよ。」


「おいおいそれってマジかよ?」


「ご主人様!?それって素材や鉱石取り放題って事!?」


フトと鍛冶屋のおっちゃんが興奮した様に話しかけてくる。


「うん。入ってみなきゃ分かんないけど、多分問題ないと思うよ。」


「おおー!!!!やったな嬢ちゃん!」


「やったー!師匠!」


いつの間にか師弟関係が出来上がっていた。

仲良いな。


「大丈夫だと思うけど一応俺が先に入るよ。」

ナータさんが危険な手段を選ぶ訳ないが心配なので先に入る。



よし、くぐろう。


少し緊張しながらゲートをくぐると……


「なんじゃこりゃ。」


どうやら安全な様だ。

だが、辺り一面石?か鉱石しか無いのだ。


確かに「洞窟世界創造」だけど、ここまで彩りが無いとは…


辺りに敵の気配もない、というか生命体の存在が知覚できない。どうやら本当にここは鉱石を取る為だけの世界だ。


「おい兄ちゃん無事かい?……ってなんじゃこりゃ!!?!!?」


「メリー無事?ってこれは……」


その後ヴィオレもマキもイアレも皆同じ様な反応をしていた。



「流石はメリー様。この様な世界を簡単にお作りになるとは…」


「ご主人様!凄いよ!鉱石まみれだ!」


「兄ちゃんこれは凄まじいぜ…」


二人はどこからか取り出したツルハシで採掘を始めていた。



「二人とも程々にね。」


「これで素材確保の問題は解決したのね。」


「うん。後はあの二人に任せれば良さそうだし、なんなら皆も手伝ってくれれば助かるね。」


「そうね。暇が出来たら手伝うしあの子達にも教えてあげたいわ。」


『マスターに提案です。この世界をマスターの魔力で満たす事を推奨します。』


ん?どうしてだ?


『鉄や鋼といった鉱石等は簡単に手に入りますが神話級や伝説級の素材は簡単には手に入りません。』


というかそもそもその神話級とやらはなんなんだ?


『以前魔力を使用し長く扱われてきた物体や武具等が進化するという事を説明しました。』


うん。それは覚えてる。


『それは鉱石等にも適応されます。』


という事は例えば鉄などを魔力濃度が高い場所で放置し続けると神話級の鉱石が誕生するという事かな。多分途方もない時間掛かるだろうけど。


『その認識で合ってます。他の者や自然発生する場合は途方もない時間が掛かりますがマスターの魔力は特別です。』


そう言えばエイジも言っていたな。高濃度がどうとか。


『マスターの魔力で空間を満たすと鉱石類の急速な進化が始まるでしょう。』


即ち神話級の素材が取り放題って事?



『その通りです。多少時間は掛かりますが。』





 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る