第46話 何か嫌な予感
「メリー。ようやく来た。」
「レディーを待たせるなんて酷いなぁ。」
「まあまあ別にいいではないか。」
「メリーも大変だろうし。」
ギルドに着くともう先に皆が待っていてくれた。
「ごめん、待たせたね。で、今日は何をするの?」
「特に決まっていないかな。いつもその場のノリで決めてるから。」
「取り敢えずギルドに入ろうよ。」
「そうだね。」
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「アイツが例の?」
「そうそう。竜種二体を倒したって言う奴。」
「絶対嘘だよな。ノエル様のおこぼれに預かってるだけだよ。」
ギルドに入ると視線が俺に集まる。
なんなら陰口を言っている者もいる様だ。
悲しい。
「アイツらなんなのよ!ムカつくわね。」
「アイツらぶん殴って来る。」
拳を構えようとするアスターを止める。
「まぁまぁ大丈夫だって。どうでもいいしさ。それより早く依頼とか受けようよ。」
「むー。メリーがそう言うなら。」
「メリーさん!大丈夫だったんですね。良かったです。」
「お兄ちゃん!帰ってきてたんだ!」
「マリア。久しぶり。」
「お兄ちゃん、帰って来るの遅い。寂しかったんだからね。」
ムクーっと頬を膨らませる。可愛い。
「ごめんごめん。でも一週間は滞在するから
遊べるよ。」
「ホント!やったー!」
「メリー凄い懐かれてるね。」
「アハハ。まぁそうだね。」
マリアには凄い懐かれている。
まぁ12歳といえど親も早くに亡くしているし当然と言えば当然なのかもしれない。
「皆さん依頼を受けに来たんですね。ちょっと待ってて下さい。」
「えーお兄ちゃんもう行っちゃうの?」
「ごめんごめん。また遊ぼう。」
「依頼持ってきました。今回はズムスタ森のトリー・サーペントの討伐です。」
「んじゃそれ受けるね。」
「はい、わかりました。」
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「あれかな?依頼の奴。」
「あれだね。」
「なら倒そう。でもメリーは見てて。」
「そうそう。そろそろカッコいい所見せなきゃね。」
「それに私達は結構強いんだぞ。」
「メリーやノエル様に比べると劣っちゃうけどね。」
「という訳だから私達の事を観戦していて欲しい。」
「分かった。なら見学させてもらうよ。」
近くの木に隠れる。
「メガ・ファイア!」
ナータの先制魔法で闘いが幕を開ける。
ちなみにメガ・ファイアが火魔法の上級魔法だ。
そしてリセルとアスターが前衛に立ち敵のヘイトを貰う。
ルカが後衛で弓を放つ。
やっぱりバランスのいいパーティーだ。
しっかりと連携も取れているし凄く参考になる。
「ソード・ブレイク!」
アスターがそう唱えると剣が輝く。
その一撃が闘いの終わりだった。
「ふぅ。ドヤァ。」
アスターがドヤ顔をしてくる。
声に出してドヤァっていう人初めて見たよ。
「どうだった?私達の戦闘。」
「素人目で見てても洗練されてていい動きだったよ。」
「おー、お褒めの言葉を頂きましたね。」
『マスターに警告です。莫大な魔力を持った者が
接近してきています。』
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