第45話 竜種討伐〜各国の反応

森に囲まれた美しい宮殿の最奥。


エルフは怒号を発していた。


「あのね!今の時代に竜種を二体討伐出来る奴なんて魔王以外に居ないわよ!」


「落ち着いて下さい。女王。貴方様がその様な態度では下の者どもに示しがつきません。」


グリフォナの救援要請はエルフの国にも連絡水晶を通して王都の国王からきていた。



そして竜種の対応を考えている間に国王から連絡が来た。



「急な連絡になりすまない。だが安心してくれ。竜種の脅威はもうなくなった。」


そう告げられ初めは信じられなかったが、

どうやらエルフの密偵に確認させた所一人の青年が竜種二体に圧倒したという話が出た。



そんな訳は無いのだ。

竜種は最低でもレベルを10000は超えている。


あの剣聖や人間の国王が抱えている宮廷騎士団の団長でさえ竜種を前に圧倒する事は不可能と言い切っていいだろう。


それまでに竜種は世界のバランスを揺るがしかねない存在なのだ。


「ハァ。面倒ね。」

 

だが本当だとしたら?間違いなどではなく剣聖でもなく謎の青年が討伐していたら?


危険だ。その場合魔王をも凌いでいるという事になる。


その実力はエルフの国にとっても危うい。


「エルフの密偵をその青年に着けなさい。

決してバレるなとね。」


「ハッ!」


「万が一なら私が出なければね。」



ハァとため息をつく。



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王都やエルフの国がある大陸より更に北。

暗雲が立ち込める大陸にその象徴とも言える

壮大な城。



その最上階で。


「ほう?竜種二体を単独討伐とな?」



「は!誠でございます。」


「面白い。その様な人間がいるとは。」


魔王は腹を抱え笑う。


魔王は生まれた時から屈指の実力者だった。

魔界に敵などいなかったし魔王が道を歩けば皆平伏する。


ただただ退屈。


腹を割って話せる友人もおらず互角に戦える好敵手もおらず。


剣聖やエルフの国の女王。それらはいつかは自分に匹敵する実力をつけてくれると期待している。


だがそれはまだまだ先の話だ。


何十年掛かるか分からない。


「久々に人間やエルフ達がいる大陸に行っても良いかもしれんな。」


「お待ち下さい!王よ!王が出掛けるのであれば護衛を…」


「要らぬ。」



「で、ですが…」


「要らぬと言っている。」


「分かりました。ですが私と奴を連れて行くという事を約束して下さい。」


「だから要らぬと言っておろうが。」


「ご容赦下さい。貴方様が亡くなると我等は生きる意味が無くなります。」



「ハァ。分かった。俺に着いてくる事を許可する。」

 


「ありがたき幸せ。」


「奴を呼んでこい。そしたら大陸へ向かうぞ。」



「ハッ。」




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