第34話 仲間たちを強化する(前編)

取り敢えず一人ずつやっていこう。


てなわけで二人目に選ばれた被験者?

はカデ君です。


「カデ、お前には強くなってもらう。」


「え、どうしてなんだ?」


「俺がいない時に魔物とか盗賊とかに襲われたら面倒だろ?お前らに死なれても困るし。」


「ボス…そんなに俺達の事を大切に…」


「あぁー。もう泣くんじゃないよ。」


何かと直ぐに泣くんだよな。こいつ。


「んじゃ始めるぞ。」


ナータさん任せた。



『個体名カデのレベルを「魔力譲渡」を使用し

上昇させます。』



うーん。眩しい。

 

「おおー。何だ…この力は。」


自身の成長振りに驚いているようだ。


「ステータスはどうだ?制御出来るか?」


「ステータス?レベルってレベル5000!?

な、なんでこんな急に…」


「俺が上げたんだよ。お前なら大丈夫だろ?」


「うおーー!ボス!この力絶対に役に立てて見せるぜ!」


「はいはい。そうだ。アイツラも呼んで来て。」


「アイツラ?わかったぜ!」



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「ど、どうして俺達は呼ばれたでヤンス?」


「なんでだゾ?」


次はカデ達の配下二人である。


てかコイツラも名前がないのだろうか?


「お前ら名前は?」


「俺達に名前なんてないでヤンス。」


「そうだゾ。」


やっぱりか。


「なら俺が付けても良いか?」


「も、勿論でヤンス!」


「当り前だゾ!」


なら付けさせて貰おう。


語尾がヤンスだからなー。ヤスとかで良いかな。


「んじゃお前は今日からヤスだ。」


「ヤッターでヤンス!」


「お前は…イゾでいいだろう。」


「感激だゾ!」



余程嬉しかったのか踊りだす二人。


「ちょっと落ち着けって。はいはい。これから本題だ。」


「申し訳無いでヤンス。」


「済まないゾ。」


カデと似ている。やっぱり似たもの同士だな。



「お前達が死んだら嫌なので力を与える。うまく使いこなすように。」


『個体名ヤスと個体名イゾのレベルを「魔力譲渡」を使用し、上昇させます。』




「力が溢れ出してくるでヤンス。」


「凄い力を、感じるゾ!」


というか今俺の事狙われたらヤバいのでは?


ステータスに圧倒的な差があるから。


絶対こいつ等なら大丈夫だとは思うけど。



ちょっと先が心配になってきた。


「次はあの子達だな。呼んで来て。」


「分かったでヤンス。」



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てなわけで紫色の髪の元奴隷の女の子を呼んで来て貰った。


この子は確か俺の事を信用できると思うと真っ先に言ってくれた子だ。


というかめっちゃ髪が綺麗だ。

お風呂に入れた事によって大分可愛くなった。


「ご主人様。どうしたのかしら?」


「皆に魔物とかに襲われて死んでほしくないからさ。皆のレベルを上げようと思って。」


「ご主人様はそんなに私達の事が好きなのね。」


冗談っぽく言う。


「うん。そりゃね。」



「……あらそう。」


プイっと顔を背ける。


うん可愛い。



「後名前を付けようと思ってさ。」


「名前!?ご主人様が付けてくれるの!?」


「う、うん。良ければだけど。」


「えへへ。楽しみね。」


うーん。どうしようかな。

紫色の髪だし。ヴィオレとかどうだろう。


「ヴィオレってどう?」


「ヴィオレね。素敵な名前ね。私は今日からヴィオレだわ。」


「お気に召したようで何よりだ。手な訳で今から君に力を与えようと思う。」



「それってどうするの?」


「俺のスキルを使うんだ。ヴィオレは何もしなくて良いよ。」


「分かったわ。」


ヴィオレはメリーの魔力が好きなのだ。

暖かくそれでいて力強い。

でもその根本にあるのは根深い優しさなのだ。


それを感じるから好きなのだ。


『個体名ヴィオレのレベルを「魔力譲渡」を使用し、上昇させます。』


「やっぱり私は貴方の魔力が好きよ。」


胸の中にある確かな力とメリーの魔力の余韻を感じつつヴィオレはそう話す。


「俺で良ければ何時でも話を聞くよ。悩みとかあったら一人で抱え込まず教えてね。」


「ええ。分かっているわよ。私一人の命じゃないもの。」



「えーと次は赤髪の子呼んで来てくれ。」




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ちょっと想像以上に長くなっちゃったので3話に分けます。


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