第32話 魔力を土に流すなんて誰が考えるのか

「でも、俺達はやらなければいけないことがあるのだよ。」


「分かっているわ。食料の確保と資金稼ぎかしら?」


資金稼ぎ、どっから出てきたし。




「資金稼ぎは別にいいけどさ、そう。問題は食料なんだ。別にお金を皆に渡してそれで毎日王都で食べればいいんだけど。」



それはなんか嫌なんだよな。

こういうスローライフには農業が付き物なんだ。



「てなわけで農業をするんだ!とは言っても

農具とかも今から作るからちょっと待ってて!」


「え、えぇ。」


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ちょっと森の方にやって来た。


ここら辺でいいかな。

えーと農業とか言ったけどまず何をすればいいんだろう?


『まず土地の確保からかと思います。』


土地の確保ね!

確かに。


周りの木々を切り落とせばいいのかな?

ちょっと面倒くさいな。素手で全部引っこ抜くのか。


『「デミゴッド・ソード」を顕現しますか?』


そうか!デミゴッド・ソード使えばいいじゃん。


顕現っと。



その瞬間。音もなく力もなく、周りの全ての木々が根ごと斬られた。


それを全て「アイテムボックス」に詰めた。



うーわ。これえげつな。


俺の周りが完全に更地になった。


デミゴッド・ソードは本当に出す場所を気を付けた方がいいな。


次は何するの?ナータ。


『マスターの魔力を土に流す事をお勧めします。』


どうしてだろう。


『魔力を土に流すと、土が活性化し栄養が魔力の量だけ増加します。』


成程。この方法は多分俺にしか出来ないのだろう。


はっきり言って魔力の量がこれまた莫大な量要るのだ。


数値的にどうやら10万近く注入してようやく育つのが一ヶ月弱短くなるだけみたいだ。


でーも。俺は魔力無限だからね。


もしかしたら作物が植えた瞬間生えてくるなんて面白い事が起きるのかもしれない。


後は水源の確保とかかな。


うん楽しくなってきた。



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よーし。出来た!


後は作物を植えればいいだけなのだ。

 

「種とか何処かで売ってるのかな。」


ちょっと王都行ってくるか。


「飛行」で飛び立つ。

一秒後には王都に着いていた。


種売ってる場所を探そう。 

花屋とかに売ってるかな?


と思ってたら案外直ぐに見つかった。


本当に花屋に売っていた。

取り敢えずお米の苗と野菜の種だけ大量に買った。


手で持つのは大変だったので路地裏に入り「アイテムボックス」に突っ込んだ。


そのまま「瞬間転移」で帰宅する。



「あら?お帰りなさいメリー。」


「ただいま。レク。」


帰るとレクが出迎えてくれた。


「王都に出掛けていたのね。」



「うん。種を買ってきたんだ。農業の為にね。」


「もしかしてもう土地を確保したの?」


レクが信じられないといった風に聞いてくる。


「てかもう下準備は終わらせたから、後は植えて待つだけさ。」


「もうそこまで進んでいたのね。何か貴方の役に立ちたかったのだけれど。」


「でもこれから役に立つ事ならあると思うよ。」



「本当!?」


「畑周りを守って欲しいんだ。後その畑の管理とか。」


「もしかして森の方に出来ていた畑の事?」


「うん。でも、あそこらへん魔物出るよね。」

 

「そうね。私も強くなりたいけど…スキルは無いしレベルも低いから戦えないわ。」


悔しそうに手を握りしめる。


確かに奴隷の子たちもそうだし、カデ達も強いっちゃ強いけどここら辺の魔物相手だとちょっと厳しいかな?


『私に考えがあります。』


考え?

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