第6話 ぶっ壊れ
グリフォナに着いた。
と思ったらなんか警備隊みたいな人たちに止められた。
その中のリーダーっぽいおっさんが
「マリアちゃん、このお兄さんは誰だい?」
と言った。
マリアと知り合いなのか?
「このお兄さんは、私が魔物に襲われている所を助けてくれたんです!」
おっさんはこちらを値踏みするかのように見てくる。
「兄ちゃん、名前は?」
名前を聞かれた。そういえば俺名前マリナにも言ってなかったな。
うーむ名前どうしよう。日本にいた際の名前を使うのもいいがなんかダサいように感じるしな。
「俺の名前はメリーだ。」
よくゲームする時に使う名前にした。
なんか愛着あるんだよな、この名前。
多分この世界にもマッチしてるだろうしな。
「そうか、俺達はこの街の警備隊でな、外から来たりするやつを調べてんだ。」
日本で言う警察みたいなものだろうか?
「ご苦労さんです。」
一応好印象を与えるために褒めておく。
こういうときは褒めるに限るのだ。
「兄ちゃん礼儀正しいな。そこまでかしこまらなくていいぞ。一応身分を証明するものはあるか?冒険者カードとか。」
む、そんなものないぞ。どうしよう。
「お兄さんはとても遠い国から来たんです。
でも絶対いい人です!」
マリナがフォローしてくれる。
「マリナがそう言うなら間違いはないと思うんだがな、」
「おじさん、お願いします。お兄さんならお姉ちゃんの病気を治せるんです!」
「何!?それは本当か?兄ちゃん!」
信じられないと言った風にこちらに詰め寄ってくるおっさん。
自信満々に言ってやろう。
「はい、絶対に治せます。」
「それは本当なんだな?」
おっさんは泣きそうな声で聞いてくる。
「もちろんです。」
おれはそう言う。
どうやらこのおっさんとマリア姉妹は仲が良いのだろう。
「よし、分かった。通っていいぞ。そしてサイスを助けてくれ。頼む。」
おっさんはそう言い、退いてくれる。
「マリア!案内してくれ!」
「分かりました!」
そう言いマリアに付いて行く。
「ここか?」
「はいここでお姉ちゃんは寝ています。」
よし早く治してやろう。
バタン!
マリアが乱暴にドアを開ける。
「お姉ちゃん!お姉ちゃんの病気を治せる人を連れてきたよ!」
これがマリアのお姉さんか。
とてもきれいな人だがとても痩せ細っている。
病気のせいだろうか?
「その方はだれ?」
とても声が掠れている。
「俺はメリーと言います。貴方の病気を治しにきました。」
とても驚いたような目をしている。
そりゃそっか。
「申し訳ありません。診察しても良いでしょうか?」
「は、はい。」
戸惑いながらも診察を許可してくれる。
よし、ナータ、「鑑定」
『……鑑定が完了しました。治癒を行いますか?』
もちろん。
その瞬間部屋を淡い優しい光が包みこんだ。
光が止むとそこには痩せ細っていたサイスさんの姿はなくとても健康的な女性に戻っていた。
うーん美人だな。年齢的には高校生くらいだろうか。
「ほ、本当に治った?」
「えぇ治しましたよ。」
「お姉ちゃん!」
「マリア!」
そうして姉妹二人は抱き合う。
うむ泣いてはいるがお互い笑顔だ。
笑顔が1番である。
ひとしきり抱き合った後サイスさんが話しかけて来た。
「本当になんとお礼をいったらいいか…」
「いえ、大丈夫ですよ。お礼なんていりません。」
「ですが…」
礼儀正しいな。まだ若いのに。
「本当に大丈夫ですよ。あ、そうだ。
冒険者ギルドに案内してくれませんか?
冒険者になりたくて。」
一応この世界の常識知っておきたいしな。
「その程度でいいんですか?」
不安になったのかそう問いかけてくる。
「えぇもちろん。」
そこまで欲しい物もないし知りたいのはこの世界の常識くらいだしな。
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