第7話 ホワイトな職場
ここが冒険者ギルドか。
想像してたより大きい。
「中に入りましょうか。」
入口前でボケっとしていた俺にサイスさんがそう言ってくれた。
「あ、はい」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、ギルドの中に入った。
酒場とギルドが一体化しているのだろうか?
飲食店のようなテーブルやイスがあり、色々な種族が酒を呑んだりしている。
入口からまっすぐに進むと、ギルド受付がある。
「受付行きましょうか。」
そう言いサイスさんが歩いていく。
受付につくと、他の職員が、
「サイスさん!?」
とわらわら集まってくる。
「サイスさん!病気は?大丈夫なの?」
「えーと病気はこのメリーさんが治してくれました。」
「…………」
「えぇーーーー!!?!!??」
一泊おくれて驚愕に満ちた声が響く。
「嘘でしょ?!あなたが治したの!?あの症例も薬も何もなかったあの謎の病気を!?」
「……まぁはい。」
なんか恥ずかしいな。
「一体どうやって!?」
聞かれてしまったか。
どうしよう、真面目にスキルのことを話していいのだろうか?
身寄りのないサイスさん達を働かせてくれているし聞いた感じ良質な職場環境だろう。
だかなー悪目立ちしそうなんだよな。
てかそう言えば、俺のステータスとかどのくらいなんだろう。
ナータはかなり高い数値だと言っていたが、
『マスターのステータスを表示しますか?』
あぁ。
名前 メリー
種族 人間
ステータス レベル 1
HP 99999
攻撃力 9999
防御力 9999
敏捷力 9999
命中力 9999
魔力 9999
スキル
「世界のナビゲーター」
スキル内容…鑑定 オートマッピング 知覚速度上昇 魔法使用補助 武具使用補助
「望むモノ」
望んだスキルを手に入れる
「多言語理解」
この世界のすべての言語を習得
「痛覚無効化」
痛覚を無効する
「即時治癒」
傷を即座に治癒可能
「瞬間転移」
望む座標に世界,時空間を無視し移動可能
いや、ここまでステータスぶっ飛んでたのかよ!?
『私がマスターのステータスを調整しています。もし私がマスターのステータスを制限していなければ災害が起きていました。』
えぇ!?
持っててよかったナータ。
てか、俺ホントに最強だな。
マジ誰にも負けないんじゃないだろうか。
いや、慢心はダメだな。
足元をすくわれかねん。
あ、そうだ。ナータこの世界のステータスの平均値はどうなんだ?
『この国では剣聖ノエル・ロイカがマスターを除き最も高ステータスであり、ステータス平均は5000です。駆け出し冒険者の平均値は500ほどです。』
すごいな。そんなことまでわかるのか。
でもなーステータスを誤魔化せたりするのかな。ステータスを隠せるようなスキルほしいな。
『………スキル「隠蔽」を取得しました。』
取得できちゃったよ。
まぁいい。これは多分ステータスやスキルを隠蔽できるのだろう。
「えーと私のスキルは「治癒」と言います。
このスキルは一生に一回しか使えないスキルです。」
適当に嘘を並べつつ、ステータスを見せそのステータスを大体400くらいにしておく。
「本当だ………」
「メリーさん……そんなスキルを私なんかに…」
サイスさんが申し訳無さそうにこちらを見てくる。
「いえ、大丈夫ですよ。こんなスキル扱いに困ってましたしね。目の前の命を優先しただけですよ。」
なるべく優しく話す。
「メリーさん…」
サイスさんは今にも泣き出しそうだ。
「ていうか本当にサイスの病気は治ったのね?」
「そりゃもちろん。」
「「「……やったーーー!!!!」」」
同僚さん達がじぶんのことのように喜んでいる。
やっぱりいい人たちなんだな。
そうだ、本来の目的を忘れる所だった。
「えーと冒険者になりたいんだけど…」
「あぁごめんなさい。」
サイスさんが涙をふきつつ俺に答える。
同僚さんが
「私がやるよ。まだ病み上がりなんだしゆっくりしておいて。」
「ありがとうございます。それならギルドマスターに報告してきます。」
おーギルドマスターとかいるのか。異世界っぽくてテンション上がる。
そう言うとサイスさんは2階へと上がっていった。
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