第3話 人が住む街

森から抜けだすって言ったってどうすればいいんだろう。



『ここは「ヒエア森」と呼ばれる森です。

この森は駆け出しの冒険者がよく魔物を狩る場所で近くに人口10万人程の都市があるようです。』



ならそこの街に行こう!

それはどっちの方向に行けばいいんだ?


『ここから南西方向に5キロメートル程です。』 


いや遠!


『問題ありません。今のマスターのステータスなら1分程で着くことが可能です。』


ステータス?そんなものもあるのか!

ますますおもしろいな!


だが「瞬間転移」を使うと目立ちそうだし

普通に歩いて行こう。

ついでに魔物とやらとの戦闘を体験したいしな。












「きゃあーーー!誰か助けてーーーー!!」


女性の悲鳴が聞こえた!

何処だ!?



『右斜め方向に50メートルです!』



ナータが教えてくれた方に走る。

そこでは狼らしき魔物3体に囲まれている小さい女の子が居た。



やばい!

近くにある石を拾い思いっきり狼に投げつける!



狼が跡形もなく粉砕された。


「え」



嘘だろーーー!

なんで俺の投石こんな威力あるんだよーー⁉



『マスターのステータスは非常に高いのでただの投石すらあそこまでの威力になります。』



それ早く言ってほしかったなーー

見ろよ!襲われてる女の子引いてるじゃねーか!


おっとそういえばまだ2体いるな。

狼は距離を取りつつこちらの隙を伺っているようだ。


さすがに狼でも警戒しているようだ。

女の子は大丈夫か?


そう思い女の子を見ると腰が抜けて動けないようだ。

狼が飛びかかってきた。俺はそれを片手で弾き飛ばした。


狼は木にぶつかってお亡くなりになった。

ナンマンダブ。


そして最後の一体は木の上から飛びかかってきた。

だが所詮獣。人間様に勝てるわけないのだ。


俺はそれを思いっきり蹴飛ばす。

狼はめっちゃ飛んでいった。

そして星になった。


「………」

「………」


俺と女の子の間に気まずい沈黙が流れる。



「えーととりあえず大丈夫?」



なるべく優しく問いかける。



「は、はい!助けてくださりありがとうございます!」



「お兄さんはとても強いですね!有名な冒険者さんなんですか?」



こういう場合なんて言えばいいんだろう?

真面目に気づいたら森にいました~なんて言ったら変人扱いされるだろうしな。



「俺はとても遠い場所からきたんだ。」 



俺ながらまとも?な言い訳ができた。



「ということはお兄さんはグリフォナにいく途中だったんですね!」


「あーうんそうそう」


「良ければ一緒に帰りませんか?助けてもらった恩を返したいので!」



「ありがとう!助かるよ!」



そうして俺は転生後初の人との出会いを果たしたのだった。

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