評価Dの俺は本当の実力、最強の異能力を隠す。

ふおか

俺は最強の異能力者


突如としてこの世界に異能力という代物がウイルスのように広まった。

人は、人を超越する力を手に入れた。

だが、その異能力のせいで世界は実力主義となった。

弱い異能力は下に見られ、強い者には称賛が与えられる。

それに良くないと考える者達もいた。そいつらは非実力主義と名乗り組織を作り上げた。

そして、この世界には、異能力者の学校がある。

そこには名の通り異能力者が通う学校である。

俺こと、綿わたしゅんはその学校の入学者だ····


______


目を開けるとそこには、体育館のような場所に人をがたくさん集まっていた。

そして、前には1つ段差の上に教卓のようなものがあり、それにはマイクが付いていた。

そこに一人の女性が立った。

見た目は、さらさらの長い黒髪に、キリッとした目つきのでスラっとモデルのような体をしている。

みんなは一斉ににそちらへ視線を向けた。

女性は口を開いた。


「それでは、入学式を始める」


女性は淡々と喋った。


「さて、まずは私の自己紹介をしよう。

私の名は、ときしずく

この学校の学園長だ」


学園長―――それはこの学校で一番の実力者である。


「さて、本題に入ろう。

この学校では、評価が付けられる。

一番上から、A、B、C、Dと評価が分けられている。

これは入学した時に既に決められている。」


評価は言い換えれば実力の称号というものだ。


「そして、評価を上げる方法もある。

評価を上げるには、試験で学校側に認められることだ。

簡単な話だ、実力を見せればいい。」


ニヤニヤと学園長は顔に浮かべている。


「しかし、試験で落ちるようなことがあれば、

退学することになる。

気をつけることだな。」


その後、学園長は学校について色々喋った。


「これより、入学式を終わりとする。

各自、自分の教室へと戻れ。」


そういい、学園長は立ち去った。


_____


ええと、俺の教室はここだったな。

入口の看板を見ると、評価Dと書いてあった。

そうだ、俺は評価Dである。

なぜ評価Dかは、単純に目立ちたくないからだ。

俺には目的がある。

それを達成するまでには――――


俺は教室に入った。

そこには浮かない顔をした男女がちらほらいた。

まぁそうだろうな評価Dというのは、この世界において、言い方悪いが【雑魚】という言葉に相応しいだろう。


俺は自分の席に座った。

そして隣から声がした。


「ねぇ君」

「ん?なんだ?」

「君も評価Dなの?」

「ここにいる時点でそうだろう?」

「あ、そっか!」


え?阿呆なのか?

っとよく相手を見ると、少女だった。

黒に焼きが入ったアホ毛ありの髪の毛にうっとりとした目、見るからに天然そうな少女がいた。


「君の名前は?」

「俺か?俺は······山田太郎だ」

「え?山田····太郎?いやぜったい嘘じゃん!」

「ちっ」

「え!?今舌打ちした!?初対面相手に舌打ちした!!」

「あっ聞こえてたのか」

「『あっ』じゃないよ!」


なんだこいつ面白いな

いじり甲斐があるんだが――

流石に過ぎたか。


「冗談だ、じょーだん」

「そっか!冗談なら仕方がないね!」


え?本当にバカやん。


「本当の名前は、綿谷瞬だ、お前は?」

「私は、いちだよ!」

「そうか···じゃあ瑠璃って呼ぶから、俺のことは瞬とでも言ってくれ」

「うん!分かった、瞬!」


そうして自己紹介をしていると、前のドアから一人の男性が入ってきた。

男は教卓に立ち、


「俺は、このクラスの担任に任されたとうゆうだ。宜しく頼む」


そう男は名乗った。


「さっそくだが来週から、試験が始まる」


えぇ!?とクラスのみんなは言った。


「試験内容だが、無人島でのサバイバルだ。

この試験では、ポイント制であり、ポイントを多く獲得した人が勝利だ。

勝利した人には、試験と別でポイントが貰える。

入学式のとき学園長が言っていたように

このポイントをある一定まで貯めれば

学校側から認められ評価を一段階上げることが出来る。

ちなみにだが、チームを組んでもよい。

その場合は、人数に応じてポイントを分ける。」


そして、雄二とやらに質問がとんだ。


「先生、もし成果、ポイントが獲得出来なかった場合どうなりますか?」

「いい質問だ、それにはマイナスポイントというものが与えられ、一定貯まると····退学だ。」


まじかよと声が聞こえた。


「ポイントの獲得方法はなんですか?」

「一人ずつにポイントというバッチのようなものが配られる。

それを相手から奪うことだ。

奪う方法は倒して奪うか交渉することだな。

まぁ前者が効率がいいと私は思うがね。」


雄二という男はそのまま話を続けた。


「諸君らは評価D、対して敵はそれ以上の評価····頑張りたまえ」


そう、敵は評価Dではなくそれ以上。

そして時間が経ち、話が終わった。


「それでは、今日は以上とする。

各々帰ってくれ」


男は教室から出た。

また、横から声がした。


「ねぇ····試験難しい気がするのだけど····」


瑠璃はしょんぼりした声だった。


「そうだな、急とはいえ、何題だな」

「瞬は余裕そうだね」

「いや、実はかなり焦ってる」

「そうかな?」


表情は上手く隠したつもりなのだけども····


「じゃあ私は先に帰るね!」

「ああ」


瑠璃はそのまま教室から出た。


「俺も帰るか」


俺も教室から出て、寮へと向かった。

この学校に入学するものは必ず寮に住まわせてもらう。

ワンルームの家と思えば嬉しいものだ。

さてと、試験は来週か····

俺は、眠りへと就いた―――


『っ!?どうして!』


俺の前には倒れている少女がいた。

その少女はひどく冷たかった。


『なんで····俺なんかを庇って····!』


少女は答えない。


『この世界は、いつからこんなに醜く····』


俺は泣いていた。

少女の右手を握りながら。

辺りは火の海になっている。

ああ、そうかこれは俺の――――


そこで、俺は夢から醒めた。


「今のは····」


いや····過ぎた話だ····悔んだところで意味はない。

俺は身支度を済ませ、学校に向かった。

そういえば、丁度今日が試験だったな。


あの入学式から1週間経っていた。

俺は学校に着き、教室へと入った。


「おはよう瞬!」


朝からうるさいやつは一人しか居ない。


「ああ、おはよう瑠璃」

「今日試験だね!緊張するなぁ」

「そうだな」

「そういえば、この試験ってチーム組めるよね!」

「一緒にってことか?」

「うん!チーム組も!」


チームを組むか····まぁ害はないか。


「分かった、チームを組もう」

「やった!」

「というか、いいのか?獲得ポイント減るぞ?」

「ううんいいよ、多分そんなに獲得できないし、生存率上がるほうがいいからね!」

「それは一理あるな」


この試験では、いかにポイントを奪うかの他に生存もしなければならない。


そう話していると、うちの担任が教室へ入った。


「みんな揃っているな。

外の海岸に来てくれ。

試験会場、無人島に船で向かう。」


そう男はいい、クラスのみんなは、外へと出た。

そうして海岸にく来ると、でかい船が海の上に浮かんでいた。


「わぁー!大きい!」


瑠璃がそう言った。


「さて、試験会場へ向かう、乗れ」


ぞろぞろと他のクラスが入った。

そして俺達もその船に乗った。


時間が経ち、無人島に着いた。

俺達は、無人島の海岸に集まっている。


「さて、試験の内容だがもう一度説明する」


試験内容

1週間、無人島で過ごす。

食料などは調達をすること。

投降はあり。

勝利方法は、ある一定のポイントを相手から奪うこと。

そのポイントを試験終了まで保持しておくこと。

殺しは駄目だ。

チームを組むのは自由だが、裏切り行為は自己責任。

以上。


「それでは、試験を1時間後に開始する。

各々定位置につけ。」


他のやつらは無人島の森の中へと向かった。


「私等も行こっか!」

「行くか」


俺達も森の中へと向かった。

森の中に入り少しは時間が経った。

辺りは木が多く、道がままらなくなっていた。


「うへぇ〜····動物がたくさんいるね····」


無人島だからか、異常に動物が多かった。


「そうだな····食料問題もあるし、倒せそうか?」

「うん!任せて!」


瑠璃は、目を瞑りった。

オーラのようなものを纏い、熱のようなものが少し出ていた。



「【異能力】ハイドランジア美しい冷酷!!」


瑠璃は手を動物に向けた。

その瞬間、動物は植物のようなものに絡まれ、花から雫が垂れ、動物にかかった。

動物は倒れた。


「これが、瑠璃の異能力か?」

「うん!毒を操る異能力を応用したの!」


毒か····厄介そうな能力だな。


「毒ってことはあの動物食べれなくないか?」

「ううん、大丈夫だよ!毒っていても人間には害のない毒にしたから」

「そりゃ凄いな」

「ふふん♪凄いでしょ!」


瑠璃は手を腰に当て、胸を張りながら言った。


「じゃあ次は瞬の異能力見せてね!」

「機会があったらな」

「うん!」


俺等は、食料を確保し先へ進んだ。

そうして、少し広いとこに着いた。

その真ん中には大きい川があった。


「よし、ここに拠点を建てよう」

「そうだね!川が近いし!」


俺等は学校からの支給品で貰ったテントを張った。


「寝所は確保したな」

「これで、一安心、一安心だね!」

「そうだな」


そして、俺等はさっき取った動物を調理し、食べ、いつの間にか夜になっていた。


「そろそろ寝るか」

「うん!って寝てるときって無防備だよね····敵が来たらどうしよう····」

「ああ、俺が見張っとく」

「え!?いいの?」

「任せろ、気配に敏感だからな」

「でも、寝れないと思うのだけど····」

「大丈夫だ、そうと決まれば寝るぞ、明日は早いからな」

「う、うん!おやすみ!」


瑠璃は、自分のテントの中に入った。

少し時間が経ち、俺は辺りを散歩していた。

森の中へと少し進むと····

ん?周りに気配が····

その瞬間草に隠れていたやつが一斉に俺を襲いかかった。

俺は後ろに下がった。


「なんだお前ら」


よく見ると、ここの生徒じゃない。

教員か?と思ったが力の流れ方的に違うと察した。


「答えないのかよ」


そいつらは何も答えなかった。

俺の言葉を無視して、異能力を発動してきた。

いや―――発動したがなにも起こらなかった。

相手はびっくりとしていた。

俺は、この瞬間に異能力を発動させていた。


「【異能力】 アンチメートルエリア絶対的拒絶領域


この異能力は応用で作ったものだ。

名の通り、俺の近くにいる異能力者は異能が使えなくなる。

一見強そうだが、デメリットもある。

それは、俺も異能力が使えないことだ。

だが俺には、素の身体能力がある。

それをカバーするだけの力がある。

····取り敢えず片付けるか。


俺は、地面を蹴り、即座に相手の懐へと潜り込んだ。

そして拳を固め、思いっきり打った。

その相手は後ろの木へとぶっ飛ばされた。

まだ、周りには複数居る。油断してはいけない。

先程の使った異能力を解除し、別の異能力を発動した。


「【異能力】 明晰パラノイア私の世界


この能力は、俺の理想とした世界へ相手を引きずり込む。そして、俺の妄想が現実となる。


辺りは森から、砂漠になっていた。

俺は無数の槍を上空に出現させた。

そうしていると、そいつらは急に喋りだした。


「お、貴様は何者なんだ!?」

「俺か?俺は―――」


―――最強の異能力者だ····!


そしてその槍をそいつらに降らせた····!

そいつらは異能力を発動させていたが、その前に槍の餌食となった。


俺は異能力を解除し、森の中へと景色は変わった。


「少しはやりすぎたな」


相手が何者か聞き出そうとしたが張り切りすぎたようだ。

まぁ多分まだ居るだろう。

さて早めに瑠璃の所へ戻るか。

俺は拠点へと戻った―――



____________________________________________


はい、息抜きに作りました。

結構ざっくりとしてるかも?

続きはPV数によります。

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