ホスト教師エンカウント


別れた生徒会長の内心があれていることは露知らずの俺は、理事長から食堂や買い物で使えるカード型の学生証をもらい、職員室へ来ていた。


 コンコンコン、ガラッ


「失礼します。今日から転校してきた夜須川栄人です。えっと担任の先生は…。」


職員室内に視線を這わせながら言うと、茶髪のいかにもチャラそうな人が手をあげながら


「あぁ、お前が季節外れの転校生か。俺は2-Sの担任の如月裕翔だ。えらい綺麗な顔が来たな。」

 

ホスト教師きちゃー、これぞ王道。って母さんが言いそう。

 

教室へまで担任と並んで歩きながら、

「よろしくお願いします。」

 

「よろしく、栄人。彼女いるのか?」

 

えぇ、いきなり呼び捨て。パーソナルスペース狭い気がするのは俺の気のせいか?

 

「いや、いないっすけど…その情報誰得?」

 

「もちろん俺得。」

 

と担任はニヤリといたずらに笑った。

この人適当でチャラそうだから適当にあしらっとこ。

 

「いや、そういうの求めてないんで。」

 

「ドライだなー。」

 

と内容のない会話してると教室へ着いた。

 

「じゃあ、俺が呼んだら入って来いよ。」

 

捨て台詞のように言い残し担任は教室へ入っていくのだった。



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