第二章 ようこそ!ブレイブ・アカデミーへ! 4


「ごほん!」


魔王が咳払いをする。


「まぁ、このまま黙って居ても仕方がないな。ザックリと今の状況を伝える。聞き逃すでないぞ〜」


(一体、どこまで信じられるか……)


勇者は今の状況を半信半疑で聞く事にした。魔族に今の状況を聞くと言うのは、なんだか変な感じだ。


「10万年前のあの日、私がお前にかけた魔法は【ディストラクション・タイム】まぁ、簡単に言えば高度な時間移動の魔法だな。絶対必中の一撃しか与えられない魔法。効果は対象者の時間を止め、私の思い通りの時間に起こす事が出来る。一度使うとその魔法が消滅しワシの魔力も一時的に消滅する。まぁ一時的って言っても20年〜30年ちょっと使えなくなるだけだけどな〜。あの時は闘いに水を刺す真似をして申し訳ない」


そう言い頭を下げる魔王。


その光景を見た勇者は何を思ったのか、少しだけ声を大きくして喋った。


「辞めろ。魔王たるお前が勇者に頭を下げるな。お前は魔族の手本になる絶対的存在だ。お前の時間魔法を避けられなかった僕にも責任がある。お前は遠回しに俺に頭を下げろと言っているのか?」


状況を理解した魔王は頭を上げ、ニヒッと笑った。


「その人の謝罪さえも侮辱と捉えるその姿勢、変わらんな」


そう言うと一息置きまた話し始めた


「話を戻す、お前が眠り勇者の魔力を封印してすぐの事だった。奴らが動き出した」


「奴らか…………」


「そう、貴様から何もかも奪い去った存在【天聖十二神教会てんせいじゅうにしんきょうかい】だ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る