第二章 ようこそ!ブレイブ・アカデミーへ! 3


 静寂の時がながれる。


その間、勇者は一歩も動く事ができなかった。


無意識に体が拒絶しているのだろう。


かつて殺せなかった相手が目の前に居るのだから……


「はぁ、随分と警戒されているのだな」


魔王は少し寂しげな表情を浮かべ、右手を挙げた


「下がれ、パラノア、アビス」


 魔王なりの気遣いだろうか……横に居る男と女の魔族を下がらせようとした。


だが数ミリたりとも動く事はなく、男の魔族、パラノアが魔王に口を挟んだ


「魔王様、奴は勇者です。何をしでかすか、わかりなねます。なのでこのままお側に居る許可を……」


「主〜この私が下がれと言って居るのだぞ?その指示に従わぬと言う事は、反逆として受け取って良いのかな〜?」


 一見ふざけている様に喋って居るが、言葉の一言一言が鼓膜を刺激する。


勇者は魔王がどんな奴か知っている。


例え仲間だとしても、自身に従わなければ迷わず殺す……少なくとも勇者の記憶に残る魔王はそんな奴だった。


だが目の前の光景はそんな記憶が嘘だったかの様に広がる。


「ダメです!例え魔王様のわがままでもぜっっっっったい!ダメです」


(魔族が魔王に口答えをしている……ほう、アイツも魔王と立場が同じなのか?)


 想像が拡張される。


どうやら10万年の長い月日は勇者が想像していたよりもずっとずっと長いらしい。

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 不滅の勇者、聖剣学園に通う。 ドロッP @KOKOsen

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