第一章 感情を無くした少年 6

〈ダークロスト〉

その魔法は円球に地上、空中、周囲100メートル圏内を無差別に〈闇の斬撃ギルティ〉が攻撃してくる。


そして、闇の斬撃ギルティは三回斬撃を喰らうと即死する。


「マズイな……」


 勇者の僕は死なないが当面の間動けなくなってしまう。


初見でこの技を決められた時は三時間動けなかった。


僕が動けない間、魔王はゲラゲラと嘲笑い、僕にションベンをぶっかけててきやがった。


流石にあの時は感情が戻る気がしたが結局何も感じず終わった。


だが今回はそうも行かないだろう。


恐らく今の魔力と力では〈ダークロスト〉を逃れられない。


仮に力が戻っていたとしてもこの魔法は当たるだろう。


理由は二つ、まず一つにダークロストを発動された時点で発動圏内では魔力が一切使えない。


でもこれは大した問題ではない。


問題は二つ目。ダークロストは発動した瞬間から訳0.05秒で対象者に三度の斬撃を与える事が可能。


つまり、訳0.03333333秒の間に有効範囲外に出ないといけないのだ。


ハッキリ言って……無理。


「バイバ〜イ」


「絶対殺し——」


 そして斬撃をくらい僕は痛みを感じる間もなくその場に倒れた……。


(まぁ、死ぬ事は無いし。起きたらまた奴と闘えば良いだけの事。俺は何をされても……大丈夫だか……)


「あ、あれ?」


(段々と意識が遠のいて行く……死ぬのか?、俺の体はここまで弱体化していたとは……)


 クルシェがコツコツと機嫌を表すように足音を立て近づいて来る。


その音を聞いているうちに勇者は気を失った


「はぁ……力づくって言うのも大変だな〜、ま!これで一件落着〜それじゃ!行くとしますか!!我らが聖剣学園!!【ブレイブ・アカデミー】に!」

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