第一章 感情を無くした少年 3

 

「なるほど、四天王がまだ生きていたのか」


 その言葉を聞くと魔族の女はクスクスと笑い近づいてくる


「私、下位かいい魔族だよ?」


近づいてくる女を警戒しながら一歩、また一歩と後ずさる。


魔族には下位魔族、中位魔族、上位魔族が存在する。


そして上位4人の魔族を四天王、それら全ての魔族を治める存在が魔王だ。


「そんなはずは無い下位魔族は国の兵士ですら倒せる存在なんだぞ」


 僕は会話を続けなら【神級魔法】〈テンペスト〉を脳内で唱えていた。


本来詠唱は口に出しながら唱えなければ発動しない。


だが勇者のスキル【脳内復唱】のお陰で俺は詠唱を唱えずとも魔法を放つ事が出来るのだ


「はぁ、それ何年前の話よ〜今はこれくらい普通だし...まぁ時代が進むに連れて魔族達の数は急激に増えたんだけどね〜今の上位魔族は10万年前の魔王並みに強いって言われてるんだよ〜」


(時間は稼げた。後はこの魔法をアイツに放つだけ)


アイツの言っていた事が真実なら下位、中位魔族はきっと四天王クラスと言って良いだろう。


ならアイツらを殺したこの魔法なら奴に効くはずだ


「そうかそれは困った」


 大きく後ろにジャンプし十部な距離を取った


(この距離なら外さない)


 僕は躊躇なく奴に〈テンペスト〉を解き放った


「朽ち果て死ね〈テンペスト〉」


 解き放った魔法は勢いよく奴に直撃し、淡い紫色の光が目の前の敵を包み込む。


だが、以前放った時の手応えより少し甘い気がする。長年眠っていたせいだろうか?


でもこれで取り敢えず終わり。そう思い近くの森へ行こうとした所


「あれ〜?何処行くのさ」


「は?」

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