第一章 感情を無くした少年 2
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「ねぇ貴方が勇者?」
「……誰、だ?」
盲目の中幼い声が聞こえる。
「私は魔族のクルシェ!よろしく〜」
魔族、その言葉を耳にした瞬間体が反射的に動き、腰にある聖剣を咄嗟に抜いた。
その瞬間信じられない光景が勇者の目に入ってきた
「ここは……何処……だ?」
倒れてからどのくらい寝ていたのか見当がつかないが確実に言える事が一つある。
それは雑草一つ生えていなかった俺と魔王が闘っていた荒地が、辺り一面緑で生い茂り綺麗な花が咲く程の時間が過ぎていると言う事だ。
信じられない光景だ、まさか魔王が滅びたのか?感情を失っていても驚く時は驚くらしい。自分でもその事に驚きだ。
だかすぐにその環境に適正し、目の前の魔族に質問した
「僕は一体どのくらい魔王に眠らされていたんだ?」
その問いに魔族の女が答える
「10万と123日。本当は10万年眠らせる予定だったらしいけど誤差が生じたみたいね」
彼女は間違いなく魔族だ。
瞳の淡い紫を纏った真子に紫色の長い髪。そして人並外れた魅力を持っている。
魔族の女は人間を魅力してその魂を喰らう習性がある。
が、俺には勇者の加護が雇っている為、魅了にはかかったことがない
「それじゃ最後に、魔族は滅びたのか?」
その言葉を聞くとニヤリと笑みを浮かべ突然襲いかかって来た
(不意打ちか?)
体勢を低くく慣れた動き。恐らく手練れだ。
襲いかかる魔族の女に聖剣を振り翳した。
すると
「えい!」
「!?」
幾度と無く魔族共を滅ぼしてきた俺の聖剣があっさり片手で止められてしまった。そこで確信する。
(コイツ……四天王だ)
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