爆弾魔に関する情報

 爆弾魔。

 ナキメソウ。

 多くの人の脳裏に、恐怖を植え付け、現在も活動を続ける爆弾魔である。

 六年の間に四十八件の事件を起こしたとされており、被害者は全員死亡している。

 当初、警察は連続した爆弾事件であるとは思っていなかったようであり、そのことで情報の共有が遅れて被害が拡大したとも言われている。動画サイトやSNS上でナキメソウに関する情報が、錯綜した時も、ナキメソウ自体は大きな動きをせず、淡々と爆弾事件を起こし続けた。このことから、ナキメソウは社会にそこまで興味を持っておらず、あくまで自分の中のルールに従っているだけであると考えられる。

 爆弾魔などの劇場型の犯罪に詳しいヒウリンダル氏は、多くの問題は、そのナキメソウの爆弾そのものにあると指摘している。大抵、このような事件は犯人の思想や哲学などが出るものだが、それが一切ない。気休めのような形で爆弾を作って被害を拡大させていると考えられる。このことから、手がかりが非常に少なく、指紋やある地域で限定的に使われていた何かが爆弾の中から見つかった、というような証拠がない限りは、ナキメソウの割り出しには時間がかかることは間違いがない。

 ナキメソウとの名は、十一番目の被害者が母親から仕送りが来たと言って写真を撮影しSNSに投稿した際、その段ボールに描かれていた花の名前がナキメソウだったことに由来する。もちろん、その中身は爆弾であり、被害者の母親に確認をしたところ、身に覚えがないとのことで、送り主の名前は偽装されたものであると分かった。この段ボールだが、日本全国で使われているものであるため、物的証拠の価値は非常に乏しいと結論付けられている。

 ちなみに、過去に現れた爆弾魔としてはミスターヘランハウス&ミスリクリンスズがあげられる。過剰な動物愛護を掲げてテロ行為を行い解体された、DVERDOGの元メンバーの夫婦であった。ただし、事件はすべて動物愛護法に反対する議員や企業役員に限られていたため捜査は円滑に進み、死傷者五名で解決となっている。その点、このナキメソウ連続爆弾事件は、被害者が多いこと、犯人の思惑が見えない不気味さ、そして、六年という長期であることから異例尽くしの事件として注目を浴びている。

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