第二話『閑話の談笑』 急
喫茶店を襲ったテロリスト「
「え?
「脳が揺れたな。
動揺して逃げ出そうとするもう一人の仲間に
「この、
「
テロリストが仕掛けた軍刀の一振りを、
そのままがら空きになった脇腹へ二・三発の蹴りを
「お前も一旦寝てろ」
こうして、テロリストは
(強え……。
あまりにもあっさりとした解決に、
引き倒されたことからも明らかだが、もし仮にこの
「警察に連絡を。それから、我々の分の会計をお願いします」
「
「あるわけないけれど、何も出来なかったから
「感じ悪いな。図星だけど」
「災難だったな。迷惑料代わりだ、好きなように使うと良い」
高校生にとって結構な額だったが、そのまま受け取るのも
「別に迷惑なんて掛けられてませんよ」
「そうかな。だが、こういうのは素直に受け取っておくものだ。今のうちに処世術は身に着けておいた方が良いぞ」
「
釈然としない
「
少しの沈黙が流れたが、
「もたもたしていると警察が来るからな。
一方的に
「
「
元々は
その
「仮にあいつが政治家になったとしても、
「そう言う
へらへらと笑いながら冗談ぽく
「
「な、何ノ事カナ?」
「中学生の頃、
「そういうのは中学と一緒に卒業したって!」
「賢明ね。流石に今やったら絶交するわ」
「良い機会だから自分の行いを少しは省みなさいね。
お陰で、通報を受けた警察の事情聴取は
⦿⦿⦿
喫茶店の一件から二週間が
色鮮やかな実りと早くなる
秋が深まる物悲しさには、冬の景色とはまた違った移ろいの情緒がある。
それは遠くなった始まりの季節と迫る終わりの季節の
この日は
ただ、その二つの日に何の用事があったのか、彼女は頑として話さなかった。
「
「良かった。いつもとはジャンルが違うし、好みに合うかなって心配だったけど」
「何借りたの?」
「いやらしいわね」
「どういうこと?」
「
「どういうこと!?」
何気ない日常が色づく街と共にゆっくりと流れていく。
大通りの
やはり、今年もまた季節の流れが例年よりも早い。
どこまでも続く
が、そんな三人の元に正面から招かれざる客が訪れた。
「随分とまあ、
黒いコートを纏った姿は相変わらず威圧感がある。
そして
「何の用ですか、
「一つ良い
例のテロ組織の壊滅が
そして、
彼自身は
「多分……そんなことは全然無いでしょうね」
「それもそうか。やはり……彼の望みは一つなのだろうな」
だがこれまでのことを思えば、
そんな
「なあ
間違い無く、本気で
当の
「
「もう
「あ、ああ……」
「ふん、生意気な事を言う……」
⦿
三人の沈黙を破ったのは
「今の感じ悪い人、知り合い?」
「
「なんて言うか、自分が正しいと思ってて、生き方を型に
あまりにも辛辣な
実際、
「
ただ、それを友人に言ってもらえた事が
「ええ、そうね……。ありがとう、
三人は取り留めも無い会話に戻り、駅までの道を歩いて行った。
青春の日々は
だが、そこにあった景色は
人々の時代を動かすのは、いつだって人々が重ねた年月である。
それが新たなる希望に満ちた世界を築き上げるのか、これまでの世界を打ち崩して地獄に落とすのかは、時が来るまで誰にも
黄金色の銀杏並木がただ彼らの背中を見送る。
そうして、歳月はまた過ぎていく……。
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