8
白湯のお屋敷の敷地の外は森になっていた。お屋敷の内側もほとんどが外側から続いているように森に包まれている。白湯のお屋敷はあらゆるところに緑があり、自然があった。
白湯のお屋敷には車がたくさんある。運転は紅お嬢様の趣味だった。でも白湯のお屋敷の敷地の外まで車で出ることはない。紅お嬢様は白湯のお屋敷の敷地内にある白い土色の道の上でのみ車を運転している。翠も一度助手席に乗せてもらったことがある。そのときの紅お嬢様の愛車は真っ赤な(乗りづらくて、狭くて、へんてこな形をした)スポーツカーだった。紅お嬢様の運転は上手だったけどとても荒くて、まるで遊園地のアトラクションのようだと泣きそうになりながら翠は思った。
紅お嬢様の部屋は自室と趣味の部屋があり、趣味の部屋の中には真っ白なパソコンがあった。翠はあんまり機械に詳しくないので、よくわからないのだけど、大きな画面が三つも並んでいてすごく驚いた。紅お嬢様におやつを運んだときには、紅お嬢様はとても速い速度でキーボードを叩いていた。紅お嬢様は翠に全然気がついてくれなかった。
ようやく気がついてもらえたと思ったら「そこに置いておいて。あとで食べるから」と言われてまた紅お嬢様はヘッドフォンをしてパソコンの画面に夢中になってしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます