第3話 異世界アヴァロン

 僕の視界はVRロールプレイングゲームの画面のようになっている。

 視界の右端にマップが浮かんでいる。

 左端に人物名がある。

 人物名に意識を集中させるとカチッというクリック音が聞こえる。


 朝倉王太 二三歳 職業クラス冒険者 レベル1 とある。

 名前の下に二つの棒グラフがある。

 上の赤いグラフが体力ゲージで下の青いグラフが魔力ゲージのようだ。

 その二つは今のところめちゃくちゃ低い。

 レベル1だからこんなものなのか。


「さっそく特技スキルの魔眼を使いこなしているね。お兄ちゃん、適応力高いじゃん」

 にひひっと微笑み、何故かクロネは僕に抱きつく。

 頭を撫でると嬉しそうに喉をごろごろ鳴らした。

 さすがは元黒猫だな。

 黒髪が猫耳みたいに変化して、ピコピコ動いている。


「ジャック先生がこの異世界でお兄ちゃんが活躍しやすいようにギフトをいくつか送ってくれたんだよ。魔眼もその一つだね。お兄ちゃんはこの異世界でいろんな冒険を経験することでさらにスキルを獲得することになるんだよ」

 そこでぴょんとクロネは飛び上がる。

 僕は思わずクロネの小さな体を抱き上げた。

 クロネの温かい体温が肌に伝わり、心地よい。

 そしてクロネはチュッと僕にキスをする。

 クロネの唇はむちゃくちゃ柔らかくて気持ちいい。

 油断したらそれだけでイッちゃいそうだ。

 社畜童貞は悲しいな。


 クロネのキスの後、視界にクロネ・トリスタンから仲間パーティー申請がありましたと文字が流れる。


 はい

 いいえ

 選択肢が二つある。

 もちろん、はいを選択する。


 魔法騎士マジックナイトクロネ・トリスタンが仲間になりました。

 視界にテキストが流れる。


仲間パーティーにいれるのにキスをする必要があるのかい?」

 さっそくのエッチなイベントに僕は正直興奮していた。


「違うよ、僕がチューしたかっただけ。仲間パーティー申請はお兄ちゃんからでもできるよ」

 にひひっと笑い、またクロネがチュッとキスをする。

 クロネは文句なしの美少女なのでキスをされて拒む理由はない。

 異世界にきて、さっそくイチャラブできて嬉しいな。


「異世界アヴァロンにようこそ。お兄ちゃん、マップを引きで見てみてよ。この国の全体図がわかるよ」

 クロネの言う通りにするとこの国の全体図が見えてきた。

 僕の感想だけど日本の四国を立てにしたイメージだ。


「うん、だいたいあっているよ。このアヴァロン王国の面積はだいたい日本の四国と同じぐらいかな。人口はおおよそ百万人で、そしてそのすべてが女性だよ。今、この国で男性はお兄ちゃんだけなんだ」

 クロネがかわいいウインクをする。


 ということは男女比1対100万ということか。

 漫画やアニメでよくある設定だけど、僕はそんな世界に来たのか。

 僕が妄想していた異世界に間違いない。


「科学の代わりに魔法やスキルが発達したのがこのアヴァロン王国なのさ」

 クロネはそう付け足した。


クロネはぴょんと僕から飛び降りると僕の手を引いて歩き出す。

「僕はこのジャック先生からこのアヴァロン王国でのお兄ちゃんの冒険をサポートするように仰せつかったのさ。このまま冒険にでるには心もとないからね。お兄ちゃんに僕の特技スキル模倣コピーさせてあがるよ」

 そう言うとクロネは僕を近くの小屋に連れて行く。

 そこはかつて猟師がつかっていたもので、簡易的なベッドとテーブルが置かれていた。

 そうクロネが説明した。


 模倣って確か僕の特技スキルにあったな。

 文字のイメージから考えると他者のスキルをコピーできると思えばいいのかな。


「さすがわお兄ちゃん。ご名答だよ。お兄ちゃんのスキルで僕のスキルをコピーして欲しいんだ。そのほうほうがかなり特殊なんだよね。ジャック先生がカスタマイズしたものなんだよ」

 そう言うとクロネはなぜかポイポイと服を脱ぎだす。

 眩しいほどの白い肌があらわになる。

 かなりちいさいけど女の子らしい胸のふくらみがある。

 AよりのBカップと言ったところか。

 そして当たり前だけどクロネの下半身には僕にあるものが彼女にはない。


 僕は生まれて初めてみる女の子の裸に感動して、涙を流していた。

 そして僕の体は確実に反応していた。

 これはエロゲーなんかでなんども体験した展開だ。

 どうやら僕はこの異世界でついに童貞を卒業できるようだ。


「もしかしてその方法っていうのは対象者とエッチすることかい?」

 僕はクロネに言った。


 クロネはうんうんと頷き、僕をベッドに誘う。


「お兄ちゃん、僕を愛してくれるかい?」

クロネはベッドに寝転がり、両手を伸ばす。

 僕は急ぎ、服を脱ぎ捨てる。

 すっかり裸になり、クロネに覆いかぶさる。

 クロネは僕にぎゅっと抱きつく。

 彼女の体温が体につたわり、心地よい。

 クロネの体は小柄でほっそりとしている。

 女の子らしいふくらみはそんなにない。

 僕はどちらかと言えばクロネの先生のようなセクシーグラマー系が好きなんだけど、考えが変わったな。

 クロネのような誰がみても美少女に無条件に愛されるのはなんて幸せな気持ちになるんだ。

 女の子ってそれそれ特徴があって、かわいいところがあるんだな。


 僕はこの古い小屋のなかで全力でクロネと愛し合った。

 記念すべき最高の日となった。

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