僕は、この暴力団組織に加入している。

 理由は、親とのすれ違い。

 お互いに、自分の思う正しさをぶつけていたら、大事になっていた。家に帰れないほど。

 思い出すのも嫌だよ。あんな日々。

 毎日毎日、言い争って、結局暴力で解決させようとする。

 きっと、親も僕もいかれてたんだ。

 でも、スモールさんは違う。彼女は、孤児だ。なりたくてなったんじゃない。選択肢がなかったのだ。

 だから、僕は尊敬してる。

 でも、同時にすごく羨ましい。



 真っ直ぐに、生きている人だから。



×+×+×+×+×



「それで、何かあるんですか?」

 少し、重々しい空気を纏っている。長々としても仕方ないので、単刀直入に聞く。


「あ、あぁ。」


 少し、辿々しくしながらも、一応は返答が返ってきた。


「仕方ない。本当は話さないでおくつもりだったんだが。」


 少し、貯めてから彼女は言った。


「実は、そろそろとある計画を実行しようと思っていてね。」


「とある計画.....ですか。」


「あぁ、簡単に言えば、最高裁判所襲撃計画だな。」


「え?」


 えっと...僕の聞き間違いかな。


「こんなことをしても、たいした意味はないんだがな。」


「じゃあ、なんで。」


「手っ取り早いからだよ。1番。」


 よくわからないが、強い決意がありそうだ。


「なら、僕も…」


「悪いが、お前は参加させない。」


「え?」


「この組織から、抹消する。」


「なん……」


「出ていけ! 今すぐに!」


声を荒げて、彼女は言い放った。


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